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このブログを訪問して下さった方から、オオカミ関連のニュース翻訳をと、リクエストを頂きました。ドイツ東部、ポーランドとの国境近くのラウジッツ地方には、オオカミが増えてきているそうです。
NABU(ドイツ自然保護協会)のホームページをのぞいてみると、5月2日付けで「オオカミの放浪行動調査について」という文がありますので、今日はこれを訳してみますね。
以下訳文

《オオカミの行動追跡調査》
雌オオカミに発信機を装着


森林生物学事務局LUPUSは5月2日、1歳の雌オオカミを捕獲し、発信機付き首輪を装着した。これはザクセン州Milkelerの群れの1頭である。GPS-GMS発信機によって、ザクセン州内の移動はもちろんのこと、行動範囲がほかの州へどのように拡がってゆくかについても、貴重なデータを得ることが出来るだろう。

LUPUSが行っているこの調査活動は、ザクセン州国土環境省と、「Wanderwolfプロジェクトグループ」との共同事業である。後者プロジェクトグループに参加しているのは、オオカミ保護協会(*1)、国際動物保護基金(IFAW)、ドイツ自然保護協会(NABU)、ならびにWWF。
(*1)オオカミ保護協会(GzSdW) Gesellschaft zum Schutz der Wölfe

ft8.jpg
(写真は首輪装着の際、麻酔中)

この体重27kgの雌オオカミには、FT8という標識が付けられた。
発信機をつけているオオカミは、現在もう1頭いる。「Nochtenerの群れ」の子供(Welpe♀)で、Görlitz自然公園内で交通事故に遭い、保護されて元気になったあと、今年の1月に発信機をつけて放された。データはLUPUS事務局に送信されている。

翻訳おわり
文中の「〇〇の群れ」は、その縄張りごとに研究者たちがつけている群れの名称のようです。
上記MIlkeler、Nochtener のほかに、Daubaner、 Seenland など、ラウジッツ地方だけで14もの群れがあって、テリトリーを分け合っています。(詳細図をご覧になりたい場合は こちら
原文(ドイツ語)は こちら

ついでに..と言ってはなんですが..

別のサイトに、ポーランドのオオカミについての記述がありました。下に抄訳を載せてみますので、ご興味のある方はお読みになって下さい。以下翻訳文。

公式発表によると、現在ポーランド国内に生息するオオカミは750頭ほど。おもに国土の東端地域に生息している。(途中略)
第二次大戦後、オオカミは不幸をもたらす疫病神と見なされ、鉄砲で撃つばかりでなく、巣穴を燻し出したり毒を置くなど、様々な方法で殺されていった。
1950年代にポーランド政府は、オオカミの根絶計画を立る。そのための特別な任務に人が配置され、オオカミ一頭殺すごとに高額の報奨金が出された。1975年まで狩猟対象だったオオカミの狩猟期間は、8月1日~3月31日まで。Krosno、 Nowy Sacz、 Przemyslでは一年中可能だった。
1995年、学者や生態学専門家らの努力が実ってオオカミは、46行政区で保護動物に指定される。Krosno、 Suwalki、 Przemyslでのみ、11月から2月までに限って狩猟が許されていた。
その後1998年4月、自然保護や動物保護運動の高まりから、ポーランド全土で狩猟禁止になった。
しかし1999年、家畜を飼育する人々と、保護動物となったオオカミとの摩擦が報告される。(途中略)羊などの家畜の群れを、オオカミから守る方策がないことが問題だった。タトラ(Tatra)地方の羊飼いだけが、タトラ犬(*2)を使ってオオカミを防いでいたが、地方によっては家畜を何日も続けて放牧し、見守る人間が不在になってしまうので、被害を防ぐことが出来なかった。この問題を解決すべく、「National Strategy of Wolf Protection and Management」がポーランドの専門家を集めて対策にあたり、成果をあげている。
(*2)タトラ犬…ポーランドのタトラ山脈原産の護畜犬
tatra.jpg

原文は こちら



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