2017.11.20 Obdachlosen
ドイツでは9月に総選挙が行われました。メルケル氏率いる保守系与党と連立を組むのは、どの政党になるのか注目されていましたが、交渉は失敗に終わったというニュースが流れています。

原因のひとつは、政党間で意見の異なる「難民・移民問題」。
ドイツは東欧からの移民が多い国です。せっかく移住しても職に就けずに、路上生活者になるケースが増えているそうです。ドイツ語でObdachlosen(オプダッハローゼン)と言います。
その辺の事情を報じる記事、「なぜ東ヨーロッパの移民はドイツを目指すのか」 概要を訳してみますね。
以下訳文

ドイツ国内全域で路上生活者が急増している。専門機関の統計によると、2016年の路上生活者数はドイツ全土で約86万人で、これには増え続ける難民も含まれ、増加の一途をたどっている。特にこのクリスマスに向けての季節、東ヨーロッパからの移住者が急増する。

ベルリンでも、またノルトライン=ヴェストファーレン州でも、酔っ払ったり攻撃的だったりする路上生活者がたむろする地区では、苦情の通報が多く寄せられている。

この背景には、彼らの祖国の経済状況がある。多くは仕事を求めてドイツへやって来た人々だ。「難民向けに設定された仕事でさえ、ルーマニアにいるよりは多く稼げるのです」と、ソーシャルケースワーカーは言う。

ドイツに到着しても思ったように仕事が見つからないことが多いが、彼らはそれでもドイツに居続けることを選び、次の仕事が決まるまでと称して路上で生活する。

ポーランド出身者も多い。何年間も建築現場で違法な低賃金で働き、仕事を失うと宿舎を追い出され、路上生活を始める。

ルーマニアでは、ロマ(古い言い方の「ジプシー」)への差別が、彼らをドイツへ向かわせる要因となる。ロマは蔑まれ、邪魔者として扱われている。ドイツで何らかの仕事を得られれば、彼らにとっては喜びなのだ。仮にそれが難民向け新聞の販売員であったとしても。

ルーマニアからの難民の多くはバクー出身者である。ルーマニア国内でもとくに所得の低い都市で、彼らはルーマニアでは失うものはもはや何もないと感じて、幸せを見つけようとドイツにやってくる。

クリスマスを控えて、世間には貧しい人々に何か施しをしようという気分が高まる。これに便乗したいと考える人々が、特にクリスマス前のこの寒い時期にドイツに入ってくる。思うように路上で施しが受けられるとは限らないが、それでも彼らはやって来る。

路上ミュージシャンたちも、ここが稼ぎ時だと考える。クリスマスマーケットが開かれる期間は、街に人があふれ、豊かな気分で行きかう人々は施しにも寛容になるからだ。

翻訳終わり
食事や宿舎の提供とか、公的私的を含めて支援活動はいろいろあるそうですが、数が多すぎてとても追いつかない。
冬の寒さが厳しい11月~3月は、Kältebus(直訳は「寒さのバス」だが支援の手段)といって、路上にいる人を収容施設へ運ぶバスが市中を回ったりするそうです。
86万人というのは凄まじい数ではないかと.....  
ロマの人々は、パリには沢山いて、日中堂々と署名詐欺活動をしています。観光名所なら犬も歩けば状態です。
ドイツではもうちょっと監視が厳しいようで、街角でやたら声をかけられることはありませんが、何か別の稼ぎ方をしているのでしょう。

訳文は次の記事(ドイツ語)を参考にしました。 
こちら と こちら
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2017.10.30 新ペア
10月16日のブログで、ドイツのローゼナウ城公園の黒鳥の話を載せました。

イギリスのヴィクトリア女王の夫君アルベルト公子は、このローゼナウ城の出身でした。
早世した夫を追悼するために、ヴィクトリア女王が夫の故郷ローゼナウ城に2羽の黒鳥を贈った........という歴史があって…
以来2羽の黒鳥が池にいることは、城の伝統になっていたそうですが、その一羽がキツネに襲われてしまい、残った一羽のために「パートナー探し」が行われていました。

その後の消息を知らせる記事がうまく見つからなくて、その後どうしたかなぁと思っていたら......

すでに8月中に新入りさんが見つかっていたらしい。
インゴルシュタットで黒鳥を飼っている人が譲ったみたいです。
短い報道文を翻訳してみますね。

鮟帝ウ・_convert_20171102235906

新入りの黒鳥は、インゴルシュタット市で飼育されていたもので、すでにローゼナウ公園に移送された。
池に放したところ2羽の出会いは順調で、並んで池を泳ぐようになり、関係者は胸をなでおろしている。

さて、ここから愛の物語へつながるかどうか気になる所だが、新入りの鳥はやっと9か月になったばかりで、性別がわからない。黒鳥は生後3年たたないと性別を判定できないのだ。
しかしペアーの性別よりも、今はとにかく2羽が仲良くなること、お互いを受け入れるが大切だと城を管理する人々は言う。そして今、仲良さそうに並んで泳ぐ2羽を見ていると、素敵なハッピーエンドを期待してもよさそうである。

翻訳おわり
インゴルシュタットはローゼナウと同じバイエルン州にあります。
高級自動車アウディの本拠地ですね(^^)
写真の右側の鳥が新入りの若い子でしょうか。
何年かたってもし2羽が同じ性別だったら、みんな多少はがっかりするのでしょうが、とにかく今は新しい鳥を迎え入れられて大喜びのようです。

今日明日とバタバタしているので、コメント欄閉じますね。
お読み下さり有難うございます!!!!


2017.03.30 環境の仕事
今日は ドイツではお馴染みの職業のご紹介です。この仕事、日本ではまず見かけません。あのディズニー映画「メリーポピンズ」にも出てきました…
煙突掃除人 !
ドイツでは伝統的な職業のひとつで、地方ごとに「煙突掃除協会」もあるし、かっこいい制服もあるし、職業訓練校には煙突掃除訓練生がいるのです。もちろん男女共学!

今日はドイツの放送局のサイトから、職業紹介の記事を訳してみました。以下訳文


煙突掃除人… 高い所で環境保護をになう
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煙突掃除人といえば、暖炉や煙突を掃除する人… というのは昔の話。
今では安全・環境・エネルギー分野のエキスパートとして、設備の維持管理や排気ガスの測定などを行う職業である。

「おはようございます」  煙突掃除人ユリアンが、顧客の家を訪問する。3階の天窓に梯子をかけて屋根へ上がり、瓦の上を注意深く歩く。17歳になるユリアンは、まだ職業訓練2年目の見習いだ。「マイスター試験」に合格した同僚と一緒ならば、仕事を請け負うことが出来る。安全ベルトなどはつけずに屋根の上を歩く仕事なので、注意深さと平衡感が必須だ。煙突掃除が終わると、次は地下室でたまった煤を掻き出して捨てる作業だ。

次の仕事は親方ノエ氏と一緒に、新しい暖炉の点検作業。ドイツでは新しく暖炉を設置すると、使う前に煙突掃除人が点検する法令があるのだ。ユリアンは定規を手に、暖炉とその周りの可燃物との距離を測る。環境汚染物質がないことを確認。次は暖炉から煙突内部を専用カメラで撮影し、電線や損傷がないか確認。すべてOK。親方ノエ氏が、「暖炉使用可(まきを燃やしてもよい)」証明書を顧客に手渡して仕事は完了だ。

煙突掃除人の仕事の要は、環境保護にある。彼らは現行の法律や政令を熟知している人なのだ。それぞれの暖炉で、基準を越える物質が排出されていないか測定し、環境破壊を防ぐ。訓練生たちは、そうした知識を職業訓練校でたたきこまれる。
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訓練生3年目になる18歳のパトリックを現場で指導するのは、女性煙突掃除マイスター(親方)のベティーナ。一軒家の地下暖房室で、一酸化炭素や二酸化炭素の値、排ガス温度などを測ったり、農家の燻製室を清掃点検する。ここフランケン地方では、燻製室のある家が多く、年に一度の点検は必須なのだ。屋根裏にある燻製室は幅1.5m 高さ2mほどで、30分ほどの作業が終わる頃には作業服が燻製臭になり、顔には煤がつくが、パトリックは気にしない。これが仕事なのだ。
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パトリックは言う。「汚れるし、夏の屋根の上はものすごく暑いし…この仕事は体力に自信がないとだめなんだ」。

翻訳おわり
ベンツやBMWの国で煙突掃除…というと驚かれるかも知れませんが、これは決して古くさい仕事ではないんですね。
環境の仕事だからこそ、女性も加わるようになっているのでしょう。
画像はヘッセン職業訓練学校HPならびにWikiからお借りしました。
翻訳原文は こちら
2017.02.05 シュピーゲル
トランプ氏の大統領就任以来、みんな振り回されてますね。
何なんでしょうか、あのヒトは。
これが4年も続くんでしょうか? ほんとに?

さて、ドイツの新聞雑誌の中でも、格式と販売部数を誇るのが、
週刊誌 『デア・シュピーゲル』
毎週110万部も売られているそうです。

そのシュピーゲル誌電子版をながめていたら、ケッサク 傑作 なイラストが目に入りました。
紙媒体の、実物のシュピーゲル誌、2017年第6号、その表紙です。ねぇ、見て!


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うん、ほんとに......





2016.10.04 異常気象
今日は9月26日のヴェルト紙電子版から翻訳です。

「2016年の夏は自然界に何をもたらしたか」
日本と同じようにドイツでも、「こんなこと滅多にない」という異常気象に悩まされた夏だったようです。日本では当たり前の「蚊」が話題になるのは、やはりドイツだと思いながら訳しました。
以下訳文


5月~6月の長雨と竜巻、つづく夏場の熱波・豪雨・蚊の大量発生.... 2016年夏は理想には程遠いものだった。

.高温と高湿度を享受したのは、両生類と一部の昆虫たち。なかでも、水たまりに卵を産む蚊にとっては「宴の夏」となった。
その反対に、ミツバチの個体数は大きく減少。雨の間は蜜集めに飛び回ることが出来ず、多くが飢えて死に、コロニーが縮小したのだ。
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鳥類とコウモリにとっても厳しい夏だった。
「とくにコウモリについて、私たちは心配しています」と語るのは、ドイツ自然保護協会調査員のリンダーマン。調査員らは、長雨で餌がとれず弱った個体、飢え死にした個体を多く見たという。5月から6月はコウモリの出産直前の時期で、栄養不足は胎児にも影響があったと思われる。
またアカトビなどの猛禽類は巣が開いた形状であるため、多くのヒナが長雨による低体温で死んだ。

Red_Kite,_Spain_convert_20161003234734(この画像はWikiより)

個体数が健全に保たれている種ならば、一回の異常気象を難なく乗り越えられるが、絶滅が危惧される種…たとえばヒメキクガシラコウモリなどの場合、そのダメージは計り知れない。

また北海・バルト海の藻類にも異変が起こった。例年9月に見られる植物プランクトンの大発生が6~7月に始まった。これは豪雨により畑の土壌から多くの肥料分が川へ、しいては海へと流出したためである。大発生したプランクトンはいずれ海底へ沈んで微生物によって分解されるが、その際に大量の酸素を消費するため、海中に酸素不足のゾーンが出現する。それによって魚が大量に死んだ。
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 (植物プランクトン大発生のバルト海衛星写真、ヴェルト紙の記事より)

また氷河の状態も懸念される。「今年の夏、雪が例年より長く氷河上に残ったので、氷河の溶けるスピードはにぶりました。しかし10年単位で見れば、氷河の状態はネガティブです。氷舌が伸びるためには長期の変化をのぞまねばなりません」と、氷河学者のフス博士は言う。
夏の異常気象によって、さらにどんな変化が起こるかはわからないが、蚊の大発生については来年も覚悟したほうがよさそうだ。

翻訳おわり 訳文は短めに要約してあります。  
日本の蚊除けスプレーをドイツで売れば儲かるんじゃないかしらん...?(笑)

原文(ドイツ語)は こちら