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翻訳の際の言葉選びは、なかなか難しいもの。
いえ、それこそが翻訳の面白い所とわかってはいるのですが....

最近私は独和翻訳の勉強をストップしていて.....それでどうなるかというと、言葉選びの感度がガクンと落ちる
これは当然の帰結ですね。
気づいてしまったのでございます。前回の訳文。あちゃ~

大間違いがふたつ

ありえない間違い①  生きているラマの色についての記述で「茶色の毛皮の」と書いてしまいました。これは「茶色のラマ」または、「茶色の毛の」「茶色の被毛の」とするべきでした。うっかりしていたなぁ。落とし穴にドハマり。

ありえない間違い②  ラマの名前「ウィンター」を、後半の部分で「ヴィンター」 と書いてしまいました。こういう単純ミスは絶対やってはいけません。

そもそも訳文を「寝かせず」、ちょちょいと訳して、そのままホイッと反映ボタンを押したのが悪い。
今回の「毛皮」のような不適切訳語。気づくための王道がありまして、それは「寝かせる」こと。

最低でも、ひと晩寝かせて別の日に「真新しい頭」(笑)で、読者気分で文を読むと、あれっと気づくことがある。
名前の表記違いも、丁寧に見直しすれば気づけるはずで、チェックが甘かったですね。上っ滑りしていました。

ちなみに翻訳クラスで勉強していた頃、私は提出前のチェックに、自分の訳文をプリントアウトしていましたっけ。
紙に印刷すると、見える景色が何か違う。私の場合はですけど。

「時間をおいて読み直して、和文の精度を高めよ」
「辞書の訳語をそのまま使うな」
師匠の言葉の数々が思い浮かびます。あちゃ~



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台風の雨風がゴヮーッと吹き荒れて......いまテレビをつけっぱなしにしてPCを開いています。
ちょうど今、東京西部あたりを通過しつつあるらしい。

今日はNHKテレビドイツ語講座テキストのご紹介です。
名前は 旅するドイツ語

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語学テキストなんて、楽しみに読むものじゃぁないっ.....ですよね~
ドイツ語学習者オンリーのお堅いシロモノ.... というのは昔のはなし。

最近のテキストはすごい。
パラパラっとめくると、写真や可愛いイラストがいっぱいで、楽しい読み物にもなっているんですね。 
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ちょうど10月号では南ドイツとアルザスが紹介されていて、私が昨年歩いたストラスブールの写真も!

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嬉しいことに10月号から、私が尊敬するドイツ語字幕翻訳者・吉川美奈子さんが、ドイツ映画とその背景を語る連載を持たれて、これが面白いんですよ。戦後ドイツを映画を通して振り返るという趣向だそうです。

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吉川さんのハナシは、知識の裏付けがあって、映画愛にあふれてて、引き込まれます。
もし少しでもドイツ語圏の文化に興味があるなら、とってもオススメな本ですよ。(660円)

ブログを書いている間に台風は通り過ぎていったようです。すごい風雨でした。
野鳥たち、とくに今年生まれのスズメっ子たちは、生き延びられたかしら。建物の隅にでもいればいいけど、樹木にとまって小さなからだであの風をしのぐのは、難しいのではないかしら......心配してもどうすることもできませんが.............
2017.08.31 夏の終わりに
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先日のこと、蒸し暑い中をえっちらおっちら、東京駅まで出かけました。

旅行ではありません。駅前にある丸善書店の本店へ…… 

目的の洋書売り場で ドイツ語初級テキスト を物色。

じつは仕事仲間のSさんに、ドイツ語を教えることになったのです。
手を抜かずに良い教材を用意しなければなりません。

教材は、日本の出版社のもの&ドイツで出されているもの、2本立てでいくことにしました。
メインに選んだ Szenen(三修社)。これはすでにネットで購入。
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イラストも可愛いし、文法の説明もそこそこあって、良いテキストです。

そしてサブに選んだのが丸善で買ったSTUDIO21。 ドイツの出版社のものです。
語学学校に行くと、こういうシリーズを買わされますね。
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なぜ三修社の方をメインにするかというと、ドイツ語だけで書かれた教科書は、場合によっては回り道になるから。
日本で育って、朝から晩まで日本語で仕事している人がかじる外国語ですから、和文で説明されていることが重要なのです。発音は付属のCDを聴けば事足ります。
ドイツ版の教材は、ドイツに住む若い外国人が、現地の語学学校に通うことを想定していて、少しやりにくい面があるからです。

目標は1年後に、簡単な会話のキャッチボールができること
 
もう一冊、土井善晴さんの料理本 きれいな味作りのレッスン は、最近結婚して御飯づくりに四苦八苦している娘に買いました。この方の提唱する「一汁一菜のすすめ」には、すごく共感しているので。
娘のために買いましたが、自分で面白がって使っています。あげるのやめちゃおうかな。

土井さんの素敵なインタビュー、リンクをはっておきますね。 こちら
じつは目下、次のブログ用にドイツの記事を翻訳中なのですが....

それとは別件で、ウィーンの新聞に日本人のニュースが載っていたのでご紹介です。

といっても、日本ではもちろん話題になっていますから、みなさんご存じでしょう。
遠いオーストリアでも報道されているくらい、「めったにないこと」には違いない。
クライネ新聞(オーストリア)9/2の記事から、 以下訳文。

「素手でクマを撃退」

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山あいの渓流でクマに襲われたのは、63歳のアオキ・アツシ氏。
「魚釣りをしていたら突然襲われました。クマは1.9メートルほどで、ものすごい力で私を地面になぎ倒し、頭と手足をかまれました」と話すアオキ氏。

しかし彼は逃げるかわりに、空手で応戦した。クマの目をねらって反撃したところ、みごとに命中。クマはうなりながら森の中へ逃げ帰っていった。「殺すか殺されるか、どちらかという状況でした」。

彼は自分の車まで自力で戻り、病院へ直行した。
「おどろいたことに、彼は自分で病院まで運転してゆき、しかもその間に、釣った魚を置いてきてしまったと考えていたそうです」と警察官は話している。

素手でクマを撃退したことは、日本のメディアでも驚きをもって報道されている。
今回は事なきを得たが、山に入る時はリュックにクマ除けの鈴をつけ、万一遭遇したら目を合わさないように、行政は呼びかけている。
日本では今年すでに4名が、クマで命を落とした。

原文は こちら
2016.07.01 Brexitその後
前回に続いてイギリス関連。
ドイツの報道からの翻訳文です。6/28シュピーゲル誌電子版の記事を訳してみました。
以下訳文

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今回の国民投票をめぐりイギリスでは、EU諸国出身者への風当たりが強くなった。中でもポーランドから移住した人々は、イギリスから追われるかもしれないと憂慮している。

ロンドンの街角にあるスーパーマーケット「ポロネーズ・デリカテッセン」。窓には“残留”と書かれたステッカーが貼られたままになっている。選挙は離脱派の勝利に終わった。店内でヨーグルトを棚に並べている女性店員は、「ポーランドへの帰国を迫られるかも知れません。その日がいつ来るかわかりませんが、気がかりです」と語る。

イギリスに住む外国人は2100万人で、そのうち75万人がポーランド出身者である。EU内で労働市場が開放されているので、働くために移住してきた人々だ。今かれらの将来には不安が広がっている。

上述の女性店員は、ポーランドからイギリスに移住して2年になる。しかし「まだ2年」なのだ。イギリスに5年在住しないと、国籍を取得することはできない。

タクシー運転手のクリスティアン(31)は、「私はイギリスに住んで7年になるので、セーフです」と語る。彼は、東ヨーロッパからの移民を突然追放したがる人々に納得いかない。「移住者たちは、みんな必死に働いていますよ」。

東ヨーロッパからの移民増加は、国民投票の主要テーマのひとつだった。健康保険システムの問題や家賃の高さ、低賃金労働者をめぐる問題などは、すべて移民のせいであるというのが離脱派の主張だ。彼らは「移動の自由」を廃止するために、離脱に票を入れたのだ。

キャメロン首相も、その後継者と目されるジョンソン氏(*)も、さしあたり移民たちの生活は何も変わらないと発言しているが、将来の保障は何もない。
正式なEU脱退まで、移民はここに居られるのだろうか? 今のうちにイギリスに移住しておこうと、短期的な流入増加も考えられる。いずれは能力審査を通らなければ逗留権が与えられないようになるのだろうか? もしそうなると現在の単純労働を、将来誰が担うのだろう。

ポーランドからの移民の多くは、例えば東部イングランドのような野菜産地で働いている。移民数は2001年以降10年間で5倍に膨れ上がった。移民問題は町民を二分する対立を起こし、他の地域にはないほど多くの離脱票へとつながった。しかし軋轢はあっても、農場の仕事を続けたいと願うポーランド人は多い。
多くの移民は日給30~40ポンドで違法に働いている。国が定める最低時給は6.7~7.2ポンドほどで、日給は50ポンド以上になるはずだが、あまりにも労働者が多いため違法労働がまかり通っている。

国民投票が過ぎて、不快な気分が社会に漂うようになった。移民家庭の郵便受けに、「Go home」とか「ポーランドの虫けらは要らない」などと書いた紙を投げ入れるいやがらせも報じられた。
キャメロン首相もロンドン市長カーンも、こうした外国人敵視や人種差別的発言を許すべきではないという意見を述べている。
単に移民の経済的な問題にとどまらず、国民の社会的結束という意味でも、イギリスは揺れている。
(*)訳者注 6月28日の記事です。翻訳に2日かかったので情報が古くなりました。

長い記事、お読み下さって有難うございます!
もと記事は こちら