fc2ブログ
先月のフランスひとり旅、番外編の経験談です。

個人旅行はよく言えば「気ままな一人旅」。でも、いろいろと予期しなかったことに遭遇します。
実際は障害物競走さながら… なかなかタイヘンです。

ごく微笑ましい予想外 その1
11時間半の往路機内で、すさまじく泣きわめき続けるお子様が近くに….
幼児の泣き声なんてお互い様ですからね、べつに何とも思いませんが、この時のお子様はスゴかった。キーッ、ギャーッと大半の時間を甲高く泣き続けていらっしゃいまして….トホホ 
私はエンジン音だけを遮断する耳栓(ヒトの声は通す)をしていましたが、すべての音を完全に遮断する安~い耳栓を持ってゆくべきでした。

微笑ましい予想外 その2
フランクフルトからストラスブールへ向かう高速バスで、たまたま隣に座った日本人男性が爆睡。
からだが私の席をほぼ覆わんばかりに倒れこんでの爆睡2時間  
起こして文句を言えばいいのでしょうが、気が弱いのでそれができず、私は2時間窓枠に張り付いていました。トホホ (肩がバリバリになった) 

まじめな予想外 
ストラスブールのホテルで支払い用のクレカを2枚用意していましたが、なぜか2枚とも機械を通らないと返されてしまいました 
仕方なくマネパ(海外プリペイド)カードで払って事なきを得ましたが、クレカしか持っていなかったらアウトでした。
(その後クレカは2枚とも使用しながら旅行したので、この時なぜ使えなかったのか、いまだ不明)

よく旅行サイトには「海外では現金を持ち歩かずクレカで」と書かれていますが、こういう時のための予備現金(現地通貨)は多めに持つべきだと思いました。少なくとも一人旅の場合は。

タイヘンな予想外 その1
今回の旅は、ストラスブールからコルマール、 コルマールからパリ 2回電車を利用しました。
フランスでの列車利用の注意点を書いておきたいと思います。
これはフランスの新幹線TGV
CIMG0807_convert_20180713214141.jpg

列車乗降口の階段がくせもの。下がTGV の乗り口
CIMG0809_convert_20180713210821.jpg

列車とホームが20㎝以上離れている。横幅が狭い上に階段があるので、トランクを持って上げるのは力技です。

ストラスブールで列車に乗ろうとした時に、トランクが引っかかって持ち上げられません   
一瞬途方に暮れましたが、近くの男性が手を貸して下さってなんとか乗り込むことが出来ました。
もう汗だく 
(パリ行きの時は、ホテルで持ち上げ方を練習していたのでひとりで乗れましたが..)


タイヘンな予想外 その2
駅にはエスカレーターがない。エレベーターもない。あったとしても、たいてい故障中である。

つまり長い階段を上がったり降りたり、自力でトランクを運ぶことが予想されます。
近くに男性がいればすぐ駆け寄って手を貸してくれますが、近くにそういう人がいない時もあるでしょう。
教訓 フランスでの鉄道の旅は、まず腕力を鍛えてから!



タイヘンな予想外 その3
フランスの駅の電光掲示板には、おフランス語しか書かれていません!
せめて英語も表記してよ….と思います。
折りからフランス国鉄ストライキ中で、私の乗るTGVが動くのか心配しながら掲示板を見ていたら....
「??は△△しない」と否定形のフランス語が表示され、とても不安になりました。むこうは改札がないので、改札口で駅員に聞くということができませんからね。
(あとで仏語がわかる人に尋ねた所、「自転車は持ち込めない」という意味だったらしい)

ちなみにフランスでは、列車が出発する10分前にホーム番号が電光表示されます。早めにホームに移動しておくということは不可能。
番号が表示されたら、それっ!と荷物を抱えて階段へ向かわないといけません。ちょっとしたサバイバル気分。
教訓 フランス国鉄に乗るにはフランス語を勉強しておくべし
   乗る前には、トランク抱えて階段を上がり降りする鍛錬を!


Maxタイヘンな予想外 その4
パリのホテルはブッキングコムで事前支払い済。
たどり着いたのは夜9時過ぎでしたが、フロントで涼しく「ご予約はありません」と言われました。
1週間前には確認のメールまで送っておいたのに、フロントの名簿に載っていなかったのです。最悪

携帯を出して、確認のために送ったメールと返信を見せたり、すでに支払ったからと一歩も動かず頑張ったら…….

だいぶ長い時間待たされ、突然「ok,ok!」と言われて鍵をもらいました。入金記録に私の名前があったのでしょう。
もちろん詫びの文言はなしです。
パリでは万事油断禁物!
教訓 パリに行くなら、まず心臓に毛をはやしてから!


悪い事ばかり書きましたが、まぁ旅と言うのはこんなものかも知れません。
お膳立てされた添乗員付きのパック旅行なら、こんなことはないでしょう。

たいへんな思いもしましたが、心にずっしり残ったものも沢山。
すでにブログに載せた「アルザスの街並みと雰囲気」(パリとは全く違う土地でした)
CIMG0704_convert_20180702230046.jpg

パリへ移動する列車から眺めた、フランスの大地と雲。
モネの「日傘をさす女」の背景に似た美しい空、どこまでも続く広い大地と雲は、今でも目の奥に焼き付いています。ドビュッシーの音が聴こえてきました。
CIMG0802_convert_20180713220230.jpg


パリの市立美術館プティパレ(無料!)  ここで

CIMG0842_convert_20180713224119.jpg

顔をくっつけるように近づいて観た、モネの「ラヴァクールの日没」
CIMG0845_convert_20180713221858.jpg
ほんとうに幸せな時間でした。

コルマールの 「イーゼンハイム祭壇画」
CIMG0782_convert_20180713222644.jpg


そして、アルザスのハイレベルなスィーツたち。
CIMG0594_convert_20180713223755.jpg


旅の思い出の最後は、一年前にもパリで出会った ウッドピジョン

CIMG0839_convert_20180713224835.jpg
今回はあちこちで見かけました。

長い旅行記、お付き合いくださって有難うございました!


スポンサーサイト



フランス・アルザス地方の都市、コルマール観光のつづきです。

CIMG0673_convert_20180703182225.jpg

旧市街はどちらを向いても、おとぎの国。
街の人たちも穏やかで、本当に居心地良い街でしたよ。

CIMG0701_convert_20180702230008.jpg

アルザス地方は、フランスの東端。ドイツとの国境線であるライン川に沿う肥沃な土地柄です。
独仏の領土奪い合いに翻弄された地域でもあります。

もともと 神聖ローマ帝国の自由都市として繁栄。
            
17世紀 30年戦争終結により フランス領に  
            
19世紀 普仏戦争でプロイセンが勝利し、ドイツ領になる 
            
第一次大戦後 ふたたびフランス領 
            
その後、ナチの侵攻によりドイツ領になる 
            
1944年 ドイツ占領から解放され、フランス領に。 

そういう歴史があって、フランスとドイツの文化が入り混じった不思議な魅力があるのでしょう。
街中ではフランス語・ドイツ語、どちらも通じます   

屋内市場の周囲の路上には、屋台もたくさん出ていました。
農業大国なので野菜は安い! 
 
 この八百屋さんで、ドンブリ1杯ほどのサクランボとバナナ一本買いましたが、2€でおつりがきました。250円くらい。

CIMG0696_convert_20180703170036.jpg

 商店の軒先の飾りつけが楽しい!

CIMG0697_convert_20180703174038.jpg

 入口がファンタジーなワインショップ

CIMG0766_convert_20180703174843.jpg

私は旅行に出ると体調イマイチになる人で、多分時差についていけないせいでしょうが、あまり食欲がなくなってしまうのです。
向こうの夕飯時は、私の体内時計では夜中の2時頃ですからね
だからといって食べないわけにもいきません。
ちょうど通りかかった屋台のチキンライスが目に入りました。やはり胃の調子が悪い時は、食べなれた米料理がほしくなります。おじさんに「200g Bitte!」と声をかけて、チキンライスをゲット♡

CIMG0717_convert_20180703180214.jpg

パート先の上司が地元の肉料理を推薦してくれてましたが、とても肉料理は入らない
なんでアルザスまで来てチキンライスなんか食べてるんだっ! と言われそうですが、もう仕方がない...とあきらめました。
うん、チキンライス美味しい!  (なんて安上がりなんでしょ、ワタシって)

コルマールで出会った鳥、ナンバーワンはもちろん、コウノトリ

CIMG0754_convert_20180703183720.jpg

街中ではハトとイエスズメをよく見かけましたよ。

CIMG0714_convert_20180703183918.jpg


本物の鳥ではないけれど....
ストラスブールの街角で見かけた配電盤の鳥アート
CIMG0611_convert_20180703184126.jpg








前回は、コルマールの教会屋根で子育て中のコウノトリをご紹介しました。
ヨーロッパのコウノトリは シュバシコウ という種類で、くちばしも脚も赤いのが特徴です。

さて、美しいコルマール旧市街は、どちらを向いてもこんな感じです。

CIMG0756_convert_20180629002225.jpg

奇跡的に戦火を免れ、中世の面影を残し、さらにドイツ&フランスの両文化が入り混じった街並みです。
下は旧税関付近の、カフェや土産物店が並ぶ一角。

CIMG0692_convert_20180629002625.jpg

水路の周りは花で埋め尽くされています。

CIMG0680_convert_20180629002502.jpg


 この旅の目的のひとつだった プフィスタの家

CIMG0689_convert_20180629002847.jpg

 宮崎アニメ 「ハウルの動く城」で、ソフィーの勤める帽子屋のモデルとなった建物です。
現在1階はワイン屋さんになっていますが、もともと1537年に帽子商人によって建てられたそうです。

別の角度から見た写真
CIMG0759_convert_20180630184606.jpg

2階壁面には美しいフレスコ画が残っています。
3階がせり出して建てられているのはこの地方の建物の特徴で、昔は1階面積に対して税金が課されていたので、節税のためにこのような建築が多いのだそうです。

川沿いの プティットヴニーズ (小ベニス)地区も花がいっぱいでした。

CIMG0710_convert_20180629003348.jpg

川に浮かぶ小舟は観光用です。

CIMG0666_convert_20180630190415.jpg

 右側の建物はマルシェ・クヴェール。 町の屋内市場です。

CIMG0702_convert_20180630191010.jpg


中はこんな感じでさまざまな食料品でいっぱい!

CIMG0707_convert_20180629003534.jpg


CIMG0705_convert_20180630191519.jpg

さすが農業大国フランス!
野菜・肉・チーズ・花........
香辛料やカマルグ塩なども、面白いものがたくさん並んでいましたよ。

CIMG0708_convert_20180630191938.jpg

持ち帰れるならあれもこれも、ほしいものが沢山あったのですが、じつは私のスーツケースはパリで知人に渡すための日本食の山と、すでにストラスブールで買った焼き菓子でずっしり!
これ以上重くなるととパリへの移動に支障が出そうだったので、この場は買い物を控えるしかありません 
う~~ん、またいつか来よう 

続きます。









コルマールは、オー=ラン県の県庁所在地で、ストラスブールから70kmほど南の街です。
フランス国鉄のter(特急券不要の急行列車)で30分ほど。
おりから国鉄のストライキが行われていて不安でしたが、幸いなことに予定どおりの夕方の列車に乗れ、無事コルマール駅に到着しました。
しかし駅の出口へ上がるエレベーターは当然のごとく 故障中!  
トランクを持っての長い階段に難儀しましたが、近くの方に助けていただき、なんとか駅舎の外に出ることができました。

CIMG0651_convert_20180625194303.jpg


コルマールには2泊しました。本当に美しく気持ちの良い街でしたよ。
ささやかながら私のバカチョンカメラで撮った写真をご覧くださいね。

まずはコウノトリの件から(^^)
アルザスはコウノトリの里として知られています。アルザスのシンボルですから、どの土産物屋の店先にも、足の赤い大小コウノトリ人形がぎっしりならんでいました。

CIMG0771_convert_20180625173432.jpg


初日、とりあえずミニトランに乗って旧市街を一周。ガイドは日本語も選べるようになっています。
CIMG0656_convert_20180625162202.jpg


屋根にコウノトリの巣があることで有名なサンマルタン教会を通りましたが、巣はお留守のようです。
もう子育ては終わってしまったのかしら…と、ちょっとがっかり。
CIMG0660_convert_20180625162320.jpg


その後散策を終えて一旦ホテルで休み、夕方旧市街へ行ってみると、遠くに見えるサンマルタン教会の巣に何かが立っているのが見えます。
コウノトリだっ!! 
人ごみを縫って5分、教会の下まで来ました
見上げると、巣の近くを悠然と飛ぶコウノトリが! なんて美しいんでしょう

カメラを空に向けてシャッターを押しますが、バカチョンカメラで飛んでる鳥を写すのは無理でした
肉眼ではもっと大きくはっきり見えているんですけど。
CIMG0726_convert_20180625162802.jpg

自分の目に焼き付けるしかなさそうです

巣の中にいるコウノトリに出会えたのは翌日のことでした。
CIMG0749_convert_20180625164725.jpg

CIMG0754_convert_20180625165615.jpg


羽繕い中。
CIMG0750_convert_20180625164845.jpg

 たぶん、巣の中のヒナをお世話中のお母さん
CIMG0768_convert_20180625172727.jpg

左端に、ヒナのものらしい白い羽が見えます。
CIMG0767_convert_20180625173209.jpg


CIMG0682_convert_20180625173915.jpg

巣の外観はこんな感じです。
屋根の左端に巣が乗っていますね。


自分用のおみやげにコウノトリを一羽購入(^^)
CIMG0895_convert_20180625174303.jpg

次回はほんとに美しい街の様子をお話ししますね。










アルザスに行こうと思った始まりは、大好きなアニメ 『ハウルの動く城』 の舞台になった帽子屋が、アルザスの街コルマールに実在するという話でした。

アルザスといえば、ドイツ風の可愛らしい木組みの家(フランス語でコロンバージュといいます)、ドイツとフランスの領土争いの舞台 … 
漠然とした知識しかありません。

それで、アルザスをテーマにした本を読んでみました。

アルザスからヨーロッパの文化を考える_convert_20180622212248

ローマ人とゲルマン族との戦いの場がコルマール付近だった話、フランス対ドイツの戦いに翻弄されて… 
そして現在の欧州議会がストラスブール市に置かれるまでのいきさつが、わかりやすいエッセイとして書かれていました。

なるほど、ドイツ好きとしてはこの土地を、一度見てみる価値がありそうです。
アルザスへ行こう! 3月末に計画を立て始めました。

フランクフルト空港まで直行便、そこから先は高速バスでストラスブールに向かうチケットを予約しました。
午前11時に羽田発、ストラスブール着は午後8時(日本時間の翌朝3時!)。
体力的にはこの辺が限界と思われるので、ストラスブール駅前ホテルを1泊とって........
翌日、コルマールへ移動して2泊します。 6月12日 いざ出発

フランクフルト空港が近づいて、眼下にライン川が見えます。
CIMG0570_convert_20180622183944.jpg

空港から高速バスでライン川東岸をひたすら南下します。

午後8時 ストラスブール駅前着。へとへとです。

CIMG0584_convert_20180622191335.jpg
   (日没は9時半なので、8時過ぎでこの明るさ)


さて翌朝、ホテルに荷物を預けてストラスブール観光に出かけました。
夕方コルマールに電車移動なので、半日観光です。

美しい街並み!
CIMG0608_convert_20180622191851.jpg

ストラスブールは街を近代的なトラムが走る、美しい街です。
CIMG0631_convert_20180623000918.jpg


川沿いの 「プティットフランス』 地区に入りました。
CIMG0627_convert_20180622225530.jpg

水路と水門があります。
水門の役目は敵の侵入を防ぐためのもの。意図的に街に洪水を起こし、敵の襲来を防ぐのだそうです。

CIMG0628_convert_20180622192256.jpg


川沿いにあるサントマ教会に入りました。
CIMG0613_convert_20180622192952.jpg

この教会のオルガンは、モーツァルトやシュバイツァー博士が演奏したものです。
古いオルガンが展示されています。
CIMG0620_convert_20180622193826.jpg

ちょうど私がいた時間に、教会内でパイプオルガンの演奏が始まりました。正午だったからでしょうか。美しい音色に包まれるようで癒されました。


ストラスブール観光のテッパン、大聖堂にも行きましたよ。

CIMG0645_convert_20180622225834.jpg

やれやれ、どっこいしょと信者席に腰を降ろし、ひと休み。
西洋の教会の良い所は、無料で入れ、炎天下でも中は涼しく、いくら座っていてもよいところです。
教会をお休み処にしては申し訳ないのですが、いつも腰かけて休んでしまいます。
ついでに家族・友人一同の無事を神に祈ります。 あ、ついでじゃなかった^^;
ちゃんと1€でロウソクを奉納しましたよ。

CIMG0636_convert_20180622230107.jpg

もう一か所、見たいものがあります。
疲れてましたが、もうひと頑張り。トラムに乗って移動します。
レピュブリク広場の母子像。

CIMG0648_convert_20180622235724.jpg

アルザスは、ドイツとフランスの熾烈な領土争いの舞台でもある悲しい歴史を持っています。
この像は、母親が二人の息子を抱いています。息子のひとりはフランス軍に、ひとりはドイツ軍に徴兵されたのです。

今日はフランス国鉄のストがある日。
夕方の、コルマール行きの電車に乗れるのか気になって、早めに駅に向かうことにしました。

翌日、コルマールでコウノトリに出会います