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5月のウィーン旅行で訪問した「ベートーヴェンハウス」のことを、自分自身のために書き留めておこうと思います。

訪れたのは、「第九の家」と呼ばれる記念館。
ウィーン郊外の保養地バーデン(Baden an der Wien) という町にあります。

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(ヨーゼフプラッツ周辺)

ウィーンから電車で30分(路面電車でトコトコ1時間)。
温泉が湧いていて、のどかな感じの小さな町。そう、あのコンスタンツェ(モーツァルトの奥さん)が旦那をほったらかして入り浸っていたのも、このバーデンです。

ウィーンに住んでいたベートーヴェン(1770-1827) は、病気療養のために計15回もバーデンに滞在。
現在記念館のなっているこの建物では、あの有名な第九交響曲の大部分が作曲されました。
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(第九の家)

今日はこの記念館で読んだ文を訳してみたいと思います。
テーマは ベートーヴェンの病歴
26歳から亡くなる57歳までの病が紹介されています。

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1796年  チフス
1796年  聴覚障害のはじまり 耳鳴りに悩まされ始める
1800年~ 痔
1801年  高音が聴こえなくなる。耳鳴り
1802~1808年 下痢をくりかえす 発熱、激しい腹痛(1802年にハイリゲンシュタットの遺書を書く)
1807年  痛風による頭痛で、歯を一本抜く
1808年  指の炎症が化膿  爪の外科処置(手術?)
1809年  腹部疾患の慢性化
1818年~ 右耳が聴こえなくなる 左耳は残聴(ほんの少し聴力が残っている)
(この頃から「筆談ノート」を使用)
1821年~ 内科的疾患と飲酒(ワインの多量摂取)が神経にダメージをもたらす
       肝臓疾患、すい臓疾患、黄疸、リューマチ
1822年~ 耳の痛みが、とくに冬季に頻発
1823年~ 眼の痛み(糖尿病との関連がうたがわれる)
1826年  肺炎
1827年  亡くなった日の解剖により 肝硬変とわかる

翻訳おわり
いやはや、体調不良のオンパレードで、かわいそうです。
こんなに病気をかかえながら、作曲を続けていたのですね。
「亡くなった日の解剖」という記述についてちょっと調べてみましたら、ベートーヴェン自身が難聴の原因を調べるために死後の解剖を希望していたのだそうです。その結果、肝硬変、腎不全、胆石、脾臓の腫れ、腎結石etc…が判明。

その後、遺髪を使った科学的解析が何度も(最近では2007年に)行われ、ベートーヴェンが鉛中毒だったことがわかっています。当時のワインからくるものだったらしい。肺炎や腹水を治療するために主治医が鉛を含んだ薬を処方していたのも、肝硬変をさらに悪化させる原因だったらしいです。

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記念館に置かれたベッドや家具は、ベートーヴェンが使用したものではありません。
でも、家具が残っていなくても、「たしかにこの場所にベートーヴェンがいた」というだけで、音楽をやっている者にとっては充分価値のある経験でした。
ピアノは、実際に彼が弾いたものが展示されています。この件は次回につづきます。
お読み下さって有難うございます。
2015.05.06 美しき五月に
美しい季節になりましたね
5月といえば思い出すのは、シューマンの歌曲「美しき五月に」
 
 美しさに満ちた、この五月に、
 すべての蕾が開くその時に
 私の心には、愛があふれた  (作詞 ハイネ)

     Im wunderschoenen Monat Mai
     Als alle Knospen sprangen  
     Da ist in meinem Herzen
     Die Liebe aufgegangen  

歌詞はぴんぷす訳につき、正式なものではございません(笑)
さて、連休といえど我が家に関しては、毎日仕事で忙しく、
「愛なんぞどこに芽生えるんね?」という感じでバタバタしておりました。

しかし、ベランダの植物たちは春を満喫しているらしいです。

まず、山椒の鉢植えが山のように新芽をつけて、盛り上がっています。
スパシオ・キンギアナムが、数年振りに花をつけました。
たった4輪ですが、むせるように香っています。
キンギアナム

こちらはレモンの鉢植え。
びっしりと花がついています。
レモン

レモンの花ってすごく良い匂いですね~
でも多分、実は生らないんですけど。去年も花は綺麗だったけれど実はつかなかったので。

さて、仕事も一段落したので、明日と明後日は骨休めします
シューマンの「美しき五月に」、音源を貼っておきますね。冒頭の1分40秒です。 
今週木曜日に、弦楽オーケストラのための現代作品コンサートに行ってきました。
これは、作曲家グループ 『アプサラス』 に所属する作曲家たちの作品展です。
すごくすご~く良かったです!

アプサラス1

『アプサラス』について、プログラムから引用します。
当会は、2007年に生涯を閉じられた松村禎三氏の作品の再演を通して、氏の独自の音楽観と精神を現代に問い続けていくことを目指し設立されました。……

演奏は芸大の現役とOBからなるメンバーで、クォリティー高かった!
そしてですね、どの曲も非常に内容のある、音楽性に満ちたもので、聴きごたえありました。
アプサラス2

現役バリバリの作曲家の曲が4つ続いて…
コンサート最後は故松村禎三の曲です。これがすごかった。「一格違う」って、こういうことなのねと感じ入りました。

ところで、
場所が上野文化会館だったので、コンサート前にちょっとご飯を…と、上野駅のエキナカ「エキュート」をぶらぶら。老舗洋食屋「たいめいけん」で腹ごしらえしました。
オムライスと
たいめいけん1

ハヤシライスと
たいめいけん2

エキナカとは思えない立派な夕食でした。上野駅はきれいになりましたね。以前の「ちょっと薄暗い」感じはまったくなくて、明るい賑わいの駅に変貌したのに驚きました。
ウィーンの楽友協会ホールをご存じでしょうか? 
お正月にニューイヤーコンサートをやってるあれです。上から下まで花であふれた舞台に、ウィーンフィルの楽員がぎっしり座って…  優美な黄金のホールです。私はまだ行ったことないのですが、素敵な空間です。
そして世界一美しく響くホールといわれる場所です。

あのような直方体のホールを、シューボックス型 といいます。
今日は音楽ホールの響きについての記事を訳してみました。
2014年3月4日のヴェルト紙から。

シューボックス型ホール、素晴らしい響きのわけは…?

クラシックファンがシューボックス型ホールを好むのはなぜか…その理由がデータによって裏付けられた。
この研究は、アールト大学(フィンランド)のユッカ・ペティネン氏(博士研究員)らによるもので、学術誌『米国科学アカデミー紀要』に発表された。
シューボックス型では高音と倍音が、側壁に反射することで強調され、音楽がよりダイナミックに響くことがわかった。

コンセルトヘボウ
(コンセルトヘボウ)

「弱音から最強音へとふくらむオーケストラの演奏を聴くことは、大きな文化的体験である。その際に演奏からどれほど感銘を受けるかは、奏者の腕前ばかりではなく、ホールの音響も関係している」と、研究者は書いている。

調査対象となったのはヨーロッパのコンサートホール10棟(うち7つがドイツのホール)。ホールの形状は、シューボックス型が5、その他の形のものが5だった。

音響データの測定には、聴衆のかわりに人間の頭の模型5つを使用。左右の耳の位置にはマイクロフォンを仕込み、一本のライン上に、それぞれステージから異なる距離に配置した。

ステージにはオーケストラを模して、ラウドスピーカーを配置する。スピーカーはどのホールでも同じバランスと音量を再現できるよう調整した。使用する音楽は、ブルックナーの交響曲第9番から20小節ほど。

その結果、とくに高音域における振幅(音量)がホールの形によって異なることがわかった。ホールの違いによる差異は、最大5デシベルだった。
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(楽友協会ホール)

またステージから遠く離れるほど、高音が強調される効果は大きくなり、これを最も実現しているのがシューボックス型であった。ステージから来る音は側壁に当たり、10分の1秒以内に反射音となって響きを補完するのである。

楽友協会ホール(ウィーン)、コンツェルトハウス(ベルリン)、コンセルトへボウ(アムステルダム)などの由緒ある音楽ホールが聴衆に愛され、大きな成功を収めている理由は、シューボックスの形状によって音楽がよりダイナミックに響いているからであると、研究者らは結論している。

以上翻訳文。
もと記事(ドイツ語)は こちら
今日久々の翻訳文アップ予定だったのですが...
今夜はコンサートに出掛けましたので、自分のメモがわりに書きとめておこうと思います。

近藤伸子先生のリサイタルで、シュトックハウゼン作曲 『自然の持続時間』
演奏時間が2時間近くになる現代音楽です。

そう、あのガシャーン、グシャーン、ビラビラン...(笑)みたいなのを、現代音楽といいますね。
ハーモニー進行とメロディーありきの「耳に心地よい音楽」とは違うやつです。
耳に心地よくなくとも、クラシック音楽の進化変遷の行き着いた所にあるのが現代音楽。

現代音楽にもピンからキリまであって、今日の曲とその演奏は限りなくピンと言えるものでした。
構築された音の層、残響を利用した時間表現、遠近感、深淵…なんていう言葉が次々浮かんでくる名演奏でした。

シュトックハウゼン(1928-2007)は、ドイツ生まれの作曲家。
この『自然の持続時間』という曲は、彼の最後のピアノ曲で、24曲からなっています。
各曲の冒頭2小節のコピーが配られました。
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譜面をチラ見しながら聴くのは、なかなか楽しかったです。
たしかに少し「枯れた」「落ち着いた」「美的な」感じがします。
指に鈴をつけたり、ピアノの横に置いたおリン(お仏壇のチーンのあれ)を叩いたり、なかなか不思議な効果つき。
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2時間もかかるこうした現代曲を練習して、美しく弾きこなす精神力には、本当に脱帽!
想像していたよりは、ずっといい曲でした!
しかしね、まぁ、1回聴けばもう充分ではありますが....(^^)