昨日のインタビュー記事の続き。


ZO メディアが見過ごしているリスクとは?

クレマー 私達を脅かす本当の危険は、たくさんあります。院内感染、不衛生、流行病やウイルス。ドイツ国内で、毎年5万人が病院内の感染症で亡くなっているのに、新聞はほとんど報じていません。世界を見渡せば毎年100万人の乳児が、不衛生な飲み水による下痢で死亡しています。絵空事だと仰るかも知れませんが、今世紀中に小惑星が地球に衝突する可能性だって、ゼロではありません。

ZO  では私達の不安の正体は何ですか?

クレマー 私達に不安をもたらすのは、「未解明なこと,よくわかっていないこと」です。毎年心臓の循環疾患が原因で亡くなる人数は癌の2倍ですが、それが私達を不安にしているわけではありません。なぜなら、心臓の機能はポンプであると私達は知っていますね。ポンプが故障しても、それは理解できることです。しかし癌の発生については謎があって、それが私達に不安をもたらすのです。放射線がどのように人体に影響を与えるかも、よくわかっていないので、大きな不安の種になってしまいます。

ZO 汚染された食材や、食品を通じての細菌感染を、皆心配しています。

クレマー  食品の毒を恐れるのは、遺伝学的な原不安というものです。原始林で生活していた我々の祖先は、分析された情報など持っていませんから、ある木の実が毒かどうか知るには、まず食べてみるしかありませんでした。用心深い人ほど、生き延びるチャンスは大きかったでしょう。今日の分析技術では、この濃度ならば危険ではないような微量毒素も、検出することが出来ます。しかしそれが人体に害になるかどうかは、その分量次第なのです。500年も前に、パラケルススが教えてくれたこのメッセージを、いまだ多くの人が受け取っていません。

ZO  つまり私達は、有害物質について意味のない許容限度を定めて、不安がっているということですか?

クレマー 今日許容限度値の多くは、かなり低く定められています。しかもドイツでは、科学的な基準ではなく、政治的な判断によって規定されています。つまりそれを越えたからといって、すぐ心配する必要はないのです。許容限度を越えたというだけでニュースになりますが、ダイオキシン騒ぎの時を思い出してごらんなさい。卵を3トン食べなければ実害にならないほど、汚染は微量だったのです。パニックが一人歩きしてしまいました。

ZO リスクを正しく判断するにはどうすればよいのですか?

クレマー  リスクについて語る時は、何が起こりうるのか可能性について述べられねばなりません。ジャーナリストにとって大切なのは、主観をはさまず客観的に報告することです。例を挙げましょうか。ある危険性が100%上昇したとします。大変だ!でもそれが意味するのは、100万人に1人死亡していたのが2人になったということです。 客観的に見れば、それほど危険になったわけではありませんね。食料品において、有害だと思い込まれた物質でも同じことが言えます。発見されたこと自体はニュースの種ではありません。どれほどの分量が発見されて、どんな濃度になったら危険なのか、その情報に目を向けないといけません。長い間人々の噂の種になっていたことですが、理論的には私達の誰もが、キリストやスターリンやヒットラーと同じ分子を持っているのだと、統計は語っています。どれほどの量か、メディアは明かしていません。現実的でない事柄はみんなそんなものです。正しい物の見方をすれば、多くの報道は実際のところ、ニュースではないのです。



…やれやれ、長いインタビューでした。
文中の「パラケルススの教え」ですが、ウィキによると『あらゆるものは毒であり、毒無きものなど存在しない。あるものを無毒とするのは、その服用量のみによってなのだ』という言葉らしいです。
乏しい語学力で訳に挑戦してみましたが、もし間違いがありましたらご指摘ください。原文リンクは昨日の日記に載せてあります。
 
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8月24日のZeit-onleinから、統計学者ワルター・クレマー(Walter Krämer)氏のインタビューを、訳してみました。クレマー氏は、ドルトムント工科大学で統計学教授をしている方です。
テーマは、「統計学からみたドイツ人の、パニックに陥り易い国民性」です。


Zeit-Onlein(以下ZO)  クレマーさん、2011年はこれまでの所、非常に危機に満ちた年であるように見えますね。ドイツではダイオキシンスキャンダルや腸管出血性大腸菌0104の騒ぎがありましたし、アメリカでは破壊的な竜巻、日本では原発事故の悲劇がいまだ続いています。

クレマー  過去と比べてみれば、今日こうした事故で人が亡くなるリスクは、それほど大きくはありません。多くの人が福島原発事故を危機的だと捉えましたが、放射線の影響で亡くなった人は、今の所いません。本当の悲劇、つまり数え切れないほどの人が亡くなった地震と津波は、ほとんど無視されてしまいました。

ZO  あなたが最近発表された著書「Die Angst der Woche」では、パニックに陥り易いドイツの国民性が取り上げられていますね?

クレマー 事実として、そのとおりなのです。ドイツ国内の様々な日刊紙で、国際記事を比較してみましたら、フランクフルター・ルントシャウ紙はフランス・フィガロ紙に比べて、おおよそ4倍もパニック記事を掲載しています。2000年-2010年の間で、南ドイツ新聞のBSEパニック記事は、ガーディアン(英)に比べて約2倍も多いのです。

ZO  なぜそれほど不安感が強いのでしょう?

クレマー  スイスの心理学者ユングは、集団的潜在意識というものがあると主張しています。それによれば中央ヨーロッパの人々、特にドイツ人は集団として、より強い不安を感じやすい。歴史をさかのぼれば、人口の3分の1が犠牲になった30年戦争に始まり、新しい所では第二次世界大戦での経験が、いまだ多くのドイツ人のトラウマ要因になっているのです。

ZO  そして現代では、メディアに責任がある?

クレマー ドイツでの過剰反応を見ると、そのように言えるかもしれません。チュートン、ガリア、アングロサクソン、日本、各民族の知識人における違いについて、ノルウェーの平和学者ヨハン・ガルトゥングが調査したことがあります。それによると、ジャーナリストを含むドイツ知識人にとっては、いささか渋い結果が出ました。ドイツ人は柔軟性が不足していて、理論にこだわるあまり、その理論を死守しようとしているというのです。融通がきかないということは、道を踏み誤って進んでしまう可能性があります。アングロサクソンの場合はこれと違って、ある理論がふさわしくないと思えばさっさと捨てて、別の考え方を採用するのです。

ZO  変わらなければいけないのはジャーナリストですか、それとも読者?

クレマー メディアは、報道し記録するという役目に集中するべきです。実際あまりに多くのジャーナリストが、自分を説教者である、世の中を良くする人間であると考えています。世界がどう機能し、どういう風にあるべきか、あたかも自分が知っていると言わんばかりです。これでは客観的な報道は出来ません。

ZO 冷静な報道とはどういうことですか?

クレマー BBCや CNNを見てごらんなさい。どちらの放送でも日本の原発事故を、高速道路のバス事故で3名の死者が出たのと同じトーンで伝えています。事実だけを伝えているからです。ジャーナリストは事実を伝達すればよいのであって、個人的感情を出すべきではありません。
福島の事故以来、私はドイツのテレビニュースを見なくなりました。そこでは感情を顔に出したまま、報道が行われているからです。レポーター達は次のホラー報道、つまり東京特派員発のニュースを手ぐすね引いて待ち構えていて、もしそれが来なければニュースキャスターは落胆してしまう。それに加えてニュースの伝達速度が、インターネットによって飛躍的に高まりました。誤報とかパニックなどは、以前よりずっと早く伝わり、あっという間に世界中に届いてしまいます。
  

…インタビューはまだ続いているのですが、長くなったので残りは明日の日記に...
なお原文はこちらです。
原文①
原文つづき②
原文つづき③
4つ並んだ蘭の鉢

4spesio klein


これは、スペシオキンギアナムという種類で、デンドロビウムの仲間。うまく咲かせると、春先に甘い香りの花を沢山つけます。
1番左側くらいの小さな鉢を2005年に頂いて、今年で6年目。あまりにも大きくなって、株の中央が窒息している感じだったので、根っこにハサミを入れて4つに分けてみました。

6年間枯れずに持った…というだけでもスゴイ。しかも筋金入りの耐暑・耐寒性!  真夏の蒸れ上がった西側ベランダに置いても、水さえあげていればOK! タケノコのように新しい芽が出て増えていきます。真冬の寒さ(東京の)もOK!  たいていの花物は真冬に枯れちゃうけれど、これは外に出しっ放しで大丈夫。むしろ寒さに当てた方が良いらしく、12月に室内に入れた年の翌春は、花をつけませんでした。
葉っぱが硬くて、少々水やりを忘れても平気。株分けでだいぶ根っこを切ったので、しばらくは要注意ですが、風通しが良くなって更に増えそうな予感もしています。来年咲くといいなぁ....

もうひとつ、新入りの蘭。

neue 1 klein

花屋の売れ残り処分棚で、200円で買いました。かわいそーな蘭(笑) 鉢から抜いてみると、ミズゴケの中で根はほとんど溶けて、葉っぱもシワシワ。腐った根を取り除いて空気に当てました。ひと月以上前のことです。

台所の近くに置いておいて、流しの洗い桶にときどきドボーン。20分ほどそのままに。

neue 2 klein

そして水から上げて、むき出しのままお皿に置いておく… ということを繰り返してみたら、数日前から新しい葉と根が出てきました。ちょっと不鮮明ですが、まん中から葉が顔を出しています。

neue 3 klein

根っこが空気に触れているというのが、多分良いのだろうと思います。よみがえるかな?


今読んでいる本「世界の測量」、ドイツの作家ダニエル・ケールマンの世界的ベストセラー。2005年に発表された作品です。
ネットで絶賛されていたのを見て、アマゾンで原書を取り寄せてみました… と書くといかにもスラスラ読んでいるようですね(笑) 悲しいかな、いやもう苦戦しております^^  
邦訳は「世界の測量」~ガウスとフンボルトの物語~ 三修社 瀬川祐司訳 

Vermessung klein
 


これは、アレクサンダー・フォン・フンボルト(1769-1859)と、カール・フリードリヒ・ガウス(1777-1855)を主人公にした小説。フンボルトは博物学者・探検家・地理学者として世界に名をとどろかせたし、ガウスは数学者・天文学者・物理学者として大変な業績を残して、近代数学の創始者とも言われる人。二人の人生を交互に描いて、「測量」に対する考え方の違いを、ある意味ユーモラスに浮き彫りにしています。

やっと3分の1ほど読んで、まだまだ先は長い~... ちょっと果てしない気がしていますが、面白い本なので投げ出さずに終わりまで読みたいです。

ちょうどベートーヴェン(1770-1827)と同じ時代ですね。人々は馬車で移動し、書類を書く時は羽根ペンにインクをつける。電話も写真もない時代。フンボルトが南米のジャングルを、六分儀片手に突き進む様子は、痛快…というか、読んでいて気分が悪くなりそうなほど(笑)。ガウスは反対に一つ所に留まって、数学で物事を測量する。ガウス8歳の時の有名な実話も語られています(…算数の時間に1から100までの数を全部足してみろと言われて、即座に5050と答えた。1+100=101、 2+99=101、 3+98=101...つまり 101×50=5050 )

フンボルトは貴族の家に生まれて、子供の時から特別な教育を受けて育っているけれど、ガウスの父は庭師(ウィキによればレンガ職人)で、母親も普通の人。ガウスの場合は本当に「天から降ってきたような」天才だったのですね。なぜこれ程の天才がこの一家に生まれたのか不思議な感じがします。モーツァルトだって父親が音楽家で、環境は整っていたわけだし、ベートーヴェンだって教育パパがいたしね。

この本の特徴はもうひとつ、会話がすべて接続法一式で書かれていること。例えば、ガウスがカントを訪ねる場面。

Er könne sich gut vorstellen, daß viele Besucher kämen und daß man sich zu schützen habe. Aber, und das müsse er in aller Klarheit sagen, er sei nicht irgendwer.
あなたがたが身を守る必要があることも理解しております。しかし、ここで明確に申し上げねばならないのは、私がそこらへんにいる馬の骨などではないということです。(瀬川祐司訳、三修社)

原文はこういう接続法一式に満ちているので(涙)、ちょっと手に余っています。それにしても上の訳文は素晴らしい! ドイツ語を勉強していて、接続法一式の間接話法を勉強するには最適の一冊です(笑)。

2011.08.19 カフェイン
ドイツの健康情報サイトから、コーヒーに関する最近の話題を拾ってみました。
タイトルを眺めると、コーヒー好きとしては嬉しい話がいっぱい! たとえば..

Mit Kaffee ohne Kopfschmerzen schlafen
(頭痛で眠れない時にコーヒー)

Kaffee senkt Risiko für Schlaganfall
(コーヒーは卒中発作リスクを減らす)

Kaffee macht Schlagader elastisch
(コーヒーは動脈の弾力性に有効)

ホホゥ! こりゃいい話ですね。どれも「医師新聞」や「フォーカス」に掲載されたものなので、信用できそう。3つ目の文を載せてみましょう。出典は雑誌Focus です。


Schon eine bis zwei Tassen Kaffee pro Tag reichen aus, um die Hauptschlagader deutlich elastischer zu halten. Dadurch wird die Pulswelle weniger hart, was die Wände der Arterien schont und so das Risiko für Herzinfarkt senkt. Die Wirkung hat sich in einer Studie an über 600 Bewohnern einer griechschen Insel gezeigt. Sie beruht vermutlich auf Pflanzenfarbstoffen(Polyphenolen) und nicht auf dem Koffein.
ほんの1杯か2杯のコーヒーを毎日飲むことで、大動脈をしなやかに保つ効果がある。動脈が柔らかいとスムーズに血が流れ、動脈壁にかかる圧力が減って、その結果心筋梗塞のリスクも少なくなる。これはギリシャの島で、600人以上の住民を対象にした研究によって、明らかになった。この効果をもたらしているのはカフェインではなく、おそらく植物性色素、つまりポリフェノールである。

もうひとつカフェインがらみで、シュピーゲル紙の文から。「カフェインは摂り過ぎると逆効果」

Studenten, die sich mit koffeinhaltigen Energydrinks aufputschen, zeigen in einem Test deutlich längere Reaktionszeiten als ihre Kollegen ohne oder mit nur wenig Koffein. Die Kombination aus Koffein und Alkohl führt zu nochmals deutlich langsameren Reaktionen. Wer munter bleiben will, sollte also mit Koffein Mass halten.
カフェイン入りエネルギードリンクで、無理やり元気を出している学生は、カフェインを摂らないか、または少量のみ摂った学生に比べて、明らかにテストでの反応がにぶくなる。カフェインとアルコール両方摂取すると、さらに反応が遅くなる。頭をはっきりさせていたければ、カフェインを適量に保つこと。



…頑張ろうと思ってやたらにコーヒーを飲むと、逆効果なんですね。
今日はお堅い話題です^^
雑誌フォーカスに、2型糖尿病発症リスクについて、研究報告記事が載っていました。
興味深い内容なので、主な部分を翻訳に挑戦!

記事の大意は、「牛・豚・ラム肉(ここでは赤身肉と記述)のソーセージやハム等は、加工の際に塩や亜硝酸塩が多量に加えられているため、生肉を調理する場合と比べて、2型糖尿病発症リスクが大きくなる…というこれまでの常識が、新しい研究でくつがえされた。生肉を調理した場合も、リスクは高いことがわかった」というもので、長年にわたる研究調査の結果なのだそうです。


Die Auswertung von Langzeitstudien an 440,000 Menschen belegte, dass rotes Fleisch offenbar grundsätzlich ungesund sein kann, egal ob gebraten oder roh, zu Wurst verarbeitet oder nicht. Schon ein Tägliches 100-Gramm-Steak bewirke eine Erhöhung des Risikos um ein Fünftel, berichten die Forscher im Fachmagazin "American Journal of Clinical Nutrition".
44万人を対象とした長期研究の結果が、アメリカの臨床栄養学専門誌に発表された。それによれば、赤身肉は加工製品であるか否かにかかわらず、また生でも焼かれていても同様に、健康を害する可能性があることがはっきりした。100グラムのステーキを毎日食べると、リスクは20%増加する。

Das sei deutlich mehr als bisher angenommen und widerlege bisherige Annahmen, nach denen nur weiterverarbeitetes rotes Fleisch wegen des hohen Salz- und Nitritgehalts schädlich sein sollte.
これまでは、加工肉製品に含まれる多量の塩と亜硝酸塩が、リスクの原因と考えられていたが、今回の結果はそれを覆すもので、リスクもはるかに大きいことがわかった。


"Unsere Studie belegt klar, dass sowohl prozessiertes als auch unverarbeitetes rotes Fleisch mit einem erhöhten Risiko für Diabetes Typ 2 in Verbindung stehen" sagt Studienleiter An Pan von der Harvard School of Public Health. Es sei daher wichtig, die offiziellen Ernährungsempfehlungen entsprechend anzupassen. (...) Die Wissenschaftler raten dazu, Schinken, Wurst oder Braten so oft wie möglich durch Nüsse, Vollkornprodukte oder Fisch zu ersetzen, um das Diabetes-Risiko gering zu halten.
「加工肉も生肉も、どちらも2型糖尿病の高いリスク要因であることが、私達の研究でわかったのです。公的な栄養摂取基準も、改める必要があります。」と語るのは、研究チームを率いたハーヴァード大学公共衛生学部アン・パン特別研究員。糖尿病リスクを低くおさえる食事として、ハム・ソーセージ・ステーキを、出来るだけナッツ類・全粒粉製品・魚に置き換えるようにと、研究者たちは勧めている。


…なるほど.. これはソーセージ好き、肉好きのドイツ人には、有難くない結論でしょう。でも日本人にとっては、目新しい話ではないですよね。加工されてなくても、毎日肉料理を食べるのは、メタボの原因だし。
友人で統計学の専門家に聞いてみましたら、「みんな何となくそう思ってる、確証はないけど」というような事を、膨大な統計調査をもとに、数字によって有無を言わさぬ結論を出す…というのが、統計学の意味なんだそうです。この調査では延べ442,101人に、14年以上28年に渡って定期的に、食事内容と健康状態を調べて結論を出したとのこと。メタ分析という別の統計手法でも、同じ結果になったそうです。


ドイツ語の勉強のために訳文を載せましたが、もし誤りがありましたら、どうぞご指摘ください。なお原文は、Focus.de 8月12日の記事 Rotes Fleisch ist so schädlich wie Wurst でした。



2011.08.13 決定的瞬間!
アゲハ蝶が、サナギから出てくる瞬間を目撃っ!しかも目の前で見るのは、初めての経験です。

サナギになったのは8月4日なので、今日は9日目。(日にちの勘違いに気付いて訂正済み。8/14追記)
今朝、茶色のサナギが妙に黒っぽくなって、羽化が近いのかなぁと気になっていました。
午後2時過ぎに様子を見に行ってみると、急にサナギがもぞもぞっと動き、カパッと割れ目が出来て、あっという間に蝶が登場!

schluepfen1.jpg
 

もっとゆ~っくり出てくるのかと思ってましたけれど、ほんの10秒ほどの早業!

schluepfen2.jpg

羽はくしゃくしゃ。でも触角をピンと立てて、クルクルの糸のような口を、伸ばしたり丸めたりしています。
8分後には ↓ (ちょっとピンボケ)

schluepfen3.jpg

「羽化」という意味のドイツ語 schlüpfen は、「するっと出る、するりと入る」という意味ですが、本当に言葉通り、するりと抜け出したのにはビックリでした。
2時間後に飛び立っていきました。元気でね。tschüss!
今日の暑さったらないですね...35度を越えています。頭もぼんやりしているので、何か爽やかな話題を…と探してみると、ありました。SWR.deの記事から、絶滅危惧種のホオアカトキ(Waldrapp)です。
南ドイツに沢山いた鳥で、捕まえ易さ(die fehlende Fluchtdistanz)と、美味であった(schmackhaft)という理由で、17世紀半ばにはほぼ獲り尽くされてしまったとのこと。
ホオアカトキってこれです↓

waldrapp 縮小


迫力の面構えですねぇ...可愛いという感じではないけれど、あの朱鷺の仲間ですから、飛んでいる姿は非常に美しい。アルプス越えをして生きてきた渡り鳥だそうです。
日本の朱鷺と同じように、人工繁殖させて自然に帰す試みが10年来続いていて、最大の問題は…

Junge Waldrappe müssen die Flugroute von ihren Eltern erlernen - doch die kennen sie ebenfalls nicht. Deshalb ist das Waldrappteam in den vergangenen Jahren mit Leichtflugzeugen vor handaufgezogenen Waldrappen hergeflogen - in Etappen von Burghausen bis in die Toskana.
若い鳥たちは親鳥のあとをついて飛んで、渡りのルートを学ぶものですが、人の手で育てられた彼らには、その親鳥がいません。そこでここ何年か、研究チームの軽飛行機がブルクハウゼンからトスカーナまで、彼らを先導して飛んだのです。

Die Jungtiere sind so zutraulich, dass sie ihren menschlichen Zieheltern gerne folgen.
若い鳥たちは育て親の人間を信頼しているので、素直に後をついて飛んでくれました。

飛行機でトスカーナまで誘導して、暖かいスペインで成長した鳥たちが、ドイツに帰ってきてくれるかどうかが心配されていたところ、7月末に一羽が戻ってきてくれた!人の手で育てられたGojaという名前のメスだそうです。なにしろ400年振りのことですから。

Gojas Landung in Burghausen war ein Etappensieg und der größte Erfolg des projekts.
Gojaがブルクハウゼンに帰還してくれたことは、プロジェクトの努力が実ったということで、最大の喜びです。

8月3日の日記の続きです。
ジェイムス・クリュスの代表作『笑いを売った少年』ご存知でしょうか? 
わくわくしながら読める素晴らしい物語です!

笑いを売った少年 小


3歳で母を亡くし、12歳で父を失った逆境の少年は、どんな賭けにも勝てる力と引き替えに、誰の心をも明るくするとびきりの笑いを売ってしまう。やがて富より笑いが大切だと知った彼は、笑いを取り戻す旅に出る…。

…少年が、奪われた大切なものを取り返すために、冒険の旅をする…というストーリーは、ケストナーの「エーミールと探偵たち」と似ているかも知れませんね。こちらの物語では、盗られた物がお金ではなく、「とびきりの笑い」! いかにもクリュスらしい着想だと思います。というのは、この作品以外でもクリュスは、『笑い』=『人生でなにより大切なもの』というメッセージをたくさん残していて、その信念がいつもはっきり伝わってくるのです。この作品も、クリュスお得意の枠構造(ストーリーの中に、沢山の小ストーリーが組み込まれている)で書かれています。


出版社Oetinger Verlagの紹介文から...
Timm Thalers Lachen steckt alle an. Bis er es an den geheimnisvollen Ballon Lefuet verkauft. Beide schliessen einen Vertrag : Der Ballon erhält Timms Lachen, und Timm gewinnt ab jetzt jede Wette.
ティム・ターラーが笑うと、周りのみんなも一緒に笑わずにはいられない。その「とびきりの笑い」を彼は、正体のはっきりしないリュフェット男爵に売ってしまう。契約の内容は、男爵は笑いを手に入れ、かわりにティムは、今後どんな賭けにも勝てるようになるというものだった。

…リュフェット男爵の綴り lefuet を後ろから読むと、Teufel,つまり「悪魔」という言葉になります。少年は、男爵の仮面をつけた悪魔を相手に、知恵をしぼることになるわけです。悪魔が欲しがるほどのティムの笑いとは、「おしまいにしゃっくりの出る、お腹の底から出る笑い声」。チャーミングな冒険物語でした!
2011.08.08 蚊連草
玄関前の蚊連草の鉢。蚊が寄ってこない効果があるそうです。

蚊連草

葉っぱからは、いかにも蚊が嫌りそうな匂いが… 
実際に何匹の蚊が、うちの玄関前でUターンしたかは不明ですが(笑)、扉付近で蚊をほとんど見かけなくなったのは確かです!オススメかも。
丈夫な植物で冬越しもできるそうなので、大切にしてみましょう。


ドイツのガーデニング記事から、虫除け植物についての記述をご紹介。

Seit Alters her ist bekannt, dass Walnussbäume Mücken vertreiben. Somit wäre ein schattiger Terrassenplatz unter einem Walnussbaum ein guter Insektenschutz.
昔から胡桃の木には、虫を寄せ付けない効果があると知られています。胡桃の木陰は、虫から守られたテラスとして最適です。

Balkonpflanzen, welche Stechmücken vertreiben sind Weihrauch, Duftgeranien , Tagetes, Nepheta und Tomatenpflanzen.
バルコニー植物で、肌を刺す虫を追い払う効果のあるものとして、乳香樹、香りの強いゼラニウム、千寿菊、ネペタ(紫の花をつける植物)、トマトなどがある。

…くるみの木に虫除け効果があるのは、知りませんでした。蚊連草は「香りの強いゼラニウム」の一種ですよね。ところで、トマトは...どうなんでしょう? 日本ではあまり聞かないような...
.
7月5日の日記に続いて、またぞろアゲハ幼虫です。

ベランダの山椒についた幼虫。2週間前の写真です。
右に緑色の終令幼虫(いわゆる芋虫)、左側にも黒っぽいのがいます。虫の嫌いな方はお気をつけ下さい。


2raupe klein

下はその1週間後の写真。サナギになる準備をしている所です↓

raupe klein

こうして「くの字」の格好で枝の下側に位置を決めると、もう動かずに、1日かけてサナギになります。
サナギになりたては、あざやかな緑色で、だんだんに枝と同じ色に変わっていく。(写真の枝は水平に見えますが、カメラを傾けて取ったためで、実際は45度くらいの斜めです) 
下の写真は蛹。くっついている枝と全く同じ色! ピンボケだなぁ...

puppe klein


die Raupe(幼虫)
die Verpuppung(蛹化) die Puppe(さなぎ)
das Schlüpfen(羽化)
perfekt getarnt sein(完璧に擬態している)
die Metamorphose zum Schmetterling(蝶の姿への変態)
今日は久し振りに墓参り… 雨の東北道をしばらく走って一般道へ。
いなか道の両側には、濃い緑のじゅうたんが広がっています。

所々に白さぎの姿が見えました。(ちいさっ!車の窓を開けてズームにしたけど、これがせいいっぱい)

しらさぎ小
 
子供の時に読んだ本の記憶によると、たしかサギたちは東南アジアで冬越しするんですよね。身ひとつで海を渡る鳥たちって、ほんとにすごい!
写真の2羽以外にも、視線を移すと田んぼのあちこちに、白い姿が見えました。


ちなみに、下はうちの白鷺...じゃなかった、文鳥ぎんちゃん8歳。

ぎんちゃん小
昨日の続きでジェイムス・クリュスの本から、私の好きなお話です。
『クリスマスのオウム』 Der Weihnachtspapagei

papagei小

クリスマス直前のアムステルダムのお話。少女レーンチェが可愛がっていた「しゃべるオウム」が死んでしまった! レーンチェは悲しくて、病気になってしまう。やさしいお医者様のファン・デア・トーレン氏は、クリスマスまでにしゃべるオウムを探し出して、プレゼントしてあげようと約束する。しかし、しゃべるオウムを手に入れるには、嵐のドーバー海峡を船で渡って、ロンドンへ行って探すしかないのだ。誰がこの危険な仕事を引き受けてくれるだろうか?

papageiページ小

子供の本として書かれたものなので、ドイツ語は読み易いし、いかにもクリュスらしい心温まるお話です。これも残念ながら邦訳はありません。
とっても愉快なのは、船乗りのハインが事あるごとに口にする捨てぜりふで、たとえば

Potzdrecksfeinerherrmitzylindernochmal,
こりゃまたおったまげた山高帽の紳士だべ(訳は私がいま適当につけたもので、正確ではないかも知れません)

…というような、リズミカルな続き言葉がたーくさん出てきます。初めはエ~ッ、なに?と思いますが、よく見ると単語をくっつけて言っているだけ。ハインが何か言う度にこれがついてるので、そら来たっ!と解明する楽しみもあります。ドイツ語の読書にもおすすめ。


クリュスの作品で、邦訳出版されたものの中から...
下の本は「ロブスター岩礁の燈台」(森川弘子訳)。
幸せを掴むためには、少なくとも幸せのイメージを持たなければならない…という著者の信条が伝わる一冊です。
ロブスター岩礁の燈台

今日8月2日は、ジェイムス・クリュスの14回忌にあたります。
私の大好きな作家、James Krüss(1926-1997)はドイツの児童文学者で、子供達のために沢山のお話を書きました。日本ではそれほど有名ではありませんけれど、多くの作品を書いて、児童文学の世界にはっきりと足跡を残した人です。

クリュス

ドイツの児童文学といえば、ダントツに有名なのがケストナー。「ふたりのロッテ」「エーミールと探偵たち」など、今も読まれ続けているし映画にもなりました。そのケストナーに才能を見出されたのがクリュスで、「おはなし丸の船長」と呼ばれて活躍しました。上の写真を見ると、何か語りたくてたまらないお人柄がわかりますよね。

略歴を簡単にご紹介。
ヘルゴラント島(ドイツ北西部の孤島)に生まれる。はじめは教員を志していたが、ケストナーの勧めもあって児童文学者としての道を歩き始める。ケストナーの「動物会議」のラジオドラマ化に成功。ミュンヘン近郊に住み、ラジオ・テレビで放送作家として活躍する一方、次々と作品を発表。「ロブスター岩礁の燈台」「ひいじいちゃんとぼく」「笑いを売った少年」「風のうしろの幸せの島」など多くの物語のほか、絵本、放送劇、詩作など。ドイツ児童文学賞、国際アンデルセン賞、マールブルク文学賞など、多数受賞。40歳の時にスペインのグランカナリア島に家を買い、1997年に亡くなるまでそこに居住。遺灰は故郷ヘルゴラントの海にまかれたそうです。


クリュスおじさんは沢山の作品を残していて、私もごく一部しか知りません。下の写真はお気に入りの一冊で、残念ながら邦訳は出てないのですが、「ドイツ語を楽しく勉強しよう!」という気分になれる本なので、ご紹介します。

『パウリーネへの手紙』"Briefe an Pauline"

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クリュスがカナリア島へ引っ越したあと、ミュンヘンに住む少女パウリーネとの、手紙のやりとりが一冊の本になっています。多分クリュス自身によると思われる挿絵が、とても楽しくて素敵です。

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本の中で、羊飼いの男がクリュスに語る一節...
Es ist mit dem Glück eine seltsame Sache, Senor. Wer es hat, merkt es nicht. Wer es sucht, findet es nicht. Nur wer es verloren hat, merkt hinterher, dass er das Glück für einen Augenblick in seinen Händen gehalten hat.
幸せっちゅうもんはね、旦那、不思議なものでさぁ。持っていると気がつかない。探しても見つからない。それをなくしてしまった者だけが、あとになって気付くんですよ。あの時幸せだったってね。


このCDブックはクリュス自身の録音。めちゃめちゃ楽しい語りです!

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