友人に声をかけて頂いて、今日は美術館へ。
六本木ミッドタウンのサントリー美術館「ヴェネチアン・グラス展」を覗いてきました。

普段、六本木のようなお洒落~な所には無縁なもので、キョロキョロと、おのぼりさん状態~(笑)

展覧会では16~17世紀のワイングラスなど、いにしえの食器を拝見。
ヴェネチアングラスというと、きらびやかな色彩の食器が思い浮かびますが、古いものは意外に地味で、むしろ精緻な造形が素晴らしかったです。ムラーノ島に工房が集まっていて、島外に技術が流出しないようにしていたとか..

そういえばうちにもひとつヴェネチアングラスがあったなぁ...と思い出しました。
venetianglas klein
20年以上前におみやげで頂いた「ねこ」
耳が立っていないところがご愛嬌。

話は変わりますが、ドイツにはポルターアーベントという風習がありますね。結婚式の前の晩に、隣近所やお友達総動員で食器などの陶器を割って、それを新郎新婦の二人が片付けるお祭りみたいなもの。
割るのは陶器製品だけで、けっしてガラス食器を割ってはいけないんだそうです。

Durch das Zerschlagen von Geschirr und Porzellan sollen böse Geister vertrieben werden. Weil Glas ein Symbol für Glück ist, das gerade in der zukünftigen Ehe ganz bleiben soll, durfte kein Glas zerworfen werden, denn Glas zerschlagen bedeutet Glück zerschlagen.
陶器を割ることで悪魔を追い払うと言われている。ガラスは幸福な結婚生活のシンボルなので、割ってはいけない。ガラスを割ることは、幸福を壊すことを意味している。
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いつか読もうと思ってパソコンに保存しておいた、渡り鳥についての新聞記事が出てきました。
2008年3月ヴェルト・オンラインの記事 『渡り鳥…エアバスより高く遠く』です。
ドイツ語原文は こちら 

kraniche klein

渡り鳥についての最新10大ニュース

1.飛びながら眠る
ヨーロッパアマツバメはサハラ砂漠からドイツまで、ノンストップで飛行する。華奢な体格のアマツバメたちは、風洞実験をすればわかるように、飛行中に睡眠をとっている。「家禽のニワトリが、いつでも敵に気付けるように、脳の半分ずつを交代で眠らせることは知られています。アマツバメもそのように眠っているだろうと推測できます。」と、マックスプランク鳥類学・海洋微生物研究所のニールス・ラッテンボルク研究員は語る。長距離を飛ぶ渡り鳥はこの方法で、陸に降りることなく眠ることが出来る。

2. 大空のリリエンタール(*1)
オオソリハシシギほど長距離をノンストップで飛ぶ鳥は、ほかにいない。ラドルフツェル鳥類観察所のベルント・ライスラー氏によると、この鳥はタスマニアから北シベリアまで、なんと1万kmを約100時間で飛行する。さらにキョクアジサシは、途中で休憩をとるものの、さらに遠くまで毎年30000~50000kmもの距離を移動する。これは地球の周囲約40000kmにも匹敵する距離である。キョクアジサシが25年ほど生きることから考えると、彼らは生涯に100万km以上も飛ぶことになる。
オオソリハシシギ ↓
oosorihasisigi klein


3. エアバスより高く飛ぶ
さらに鳥達の飛行高度にも驚かされる。ヨーロッパアマツバメは3000m、雁は9000m。計測された範囲で高さのレコードを持つのは渡り鳥ではなく、アフリカに住むハゲタカで、11300m。この高さは長距離飛行中の旅客機と同じである。
写真は日本のアマツバメ ↓
amatubame klein


4. ハチクイがドイツで繁殖
多くの渡り鳥は気候変動の影響で、移動行動を変化させている。例をあげれば、ナキマシコ(アトリ科の鳥)などのアフリカに住む鳥は、繁殖地を南スペインまで拡げている。色鮮やかに輝く羽を持つハチクイは、もともと地中海沿岸の鳥だが、温暖化の影響で南ドイツのカイザーシュトゥールまで繁殖地が拡がっている。自然保護団体NABUの鳥類学者マーカス・ニプコウ氏によれば、南ドイツですでに約200つがいが確認されているそうである。

5. 渡りをやめる鳥も多い
冬にも餌がとれるという理由で、ドイツから南方への渡りをやめてしまった鳥達も多くいる。
11月にあちこちで見かけるツグミクロウタドリムクドリホシムクドリは、数年前まで南フランスで冬を越していた。 
(9/25追記 野鳥の邦訳名が誤っていたことを、鳥に詳しい方に教えて頂き訂正しました。割合ポピュラーな名前の鳥も、ヨーロッパと日本では別の鳥を指すことがあるそうなのです! 下2枚の写真は、文中の鳥に合致するように訂正いたしました。「野鳥散歩」さま、本当に有難うございます! それにしても、「クロウタドリ」とは何と素敵な名前ですね。ウィキで鳴き声を聴くことが出来るんですよ。実際の鳴き声もほんとに歌のようで、魅力的でした。ホシムクドリも綺麗な鳥ですね。あのモーツァルトさんちでホシムクドリを飼っていたことがある、という記述を、どこかで見かけたことがあります。詳しいことはわかりません。どなたかご存知ですか?)
amsel klein
上は die Amsel クロウタドリ
下は der Star ホシムクドリ
star klein

6. 編隊飛行でエネルギー節約
渡りの時に編隊を組んで飛ぶ鳥と言えば、ドイツでまず思い浮かぶのは鶴である。よく知られているV字編隊は、エネルギー節約のため。「V字の後方を飛ぶ鶴は、前方を飛ぶ鳥から軽い揚力をもらっています。」と語るのは、鶴インフォメーションセンターのギュンター・ノーヴァルト氏。一つのV字は数家族の鶴から編成され、飛びながらお互いに鳴き交わしてコンタクトを取る。そして自転車競技選手と同じように、先導する役目を交代し合う … これが若い鶴たちのお手本となって、次の世代へと受け継がれてゆく。

7. 最速は小さい鳥
風洞テストをすると、渡り鳥の飛翔について色々なことがわかる。例えば..大型の鳥は人間が考えるよりもゆっくり飛び、小型の鳥たちは速い。小さなヨーロッパアマツバメは時速160kmに達するほどだが、羽ばたいて進む時はその半分ほどの速度である。カリガネの渡りは時速60kmほど。
karigane klein
↑ カリガネ die Zwerggans

8. ファミリーとは袂を分かつ
長いこと鳥類学者たちは、ガンの渡りルートは解明されたと考えていたが、それは誤りだった。2年前の欧州マガン調査プログラムで、19羽のマガンの背中に発信機がつけられ、衛星経由で冒険旅行のルートや迂回路についての情報が集められた。その中の、バレンツ海コルグィエール島で生きてきたガンが、突然2000kmも遠い北シベリアのタイミール半島に飛来している。何故だろうか? 家族を持たないガンたちは、子持ちのファミリーと別のルートを選ぶことで、餌をめぐる争いをエレガントに避けているのだ。 
マガン↓ die Gans
magan tubasa klein



9. 
オスの雁は、越冬地で知り合ったメスに従って行動する。メスの出身地はさまざまなので、結果として近親交配が避けられる。

10. 鳥インフルエンザの作り話
2年前リューゲン島で死んでいた白鳥から、H5N1インフルエンザウィルスが検出された時、渡り鳥全般がウィルス拡散の原因になっていると、疑いがかけられた。ウィルスに感染しているかもしれない野鳥と、家禽の接触を避けるよう政治的判断が下された。渡り鳥たちに対する不安が過剰で、根拠に乏しいヒステリーに近いものであると、当時渡り鳥の専門家たちは批判した。病鳥がいかにして何千キロも、移動出来るというのだろう?
現在鳥類学者たちの研究を、ウィルス学が下支えしている。ウィルス広範囲拡散の真犯人はむしろ貿易であると、カリフォルニア大学の生物学研究員ロバート・ウォレス氏は結論付けている。彼の研究では、様々なウィルスの型が調べられ、ウィルス系統図が作成された。


(*1)オットー・リリエンタール(1848-1896)を指しているかと思われます。ドイツ航空界のパイオニア。グライダーの開発者。鳥の飛翔を研究し、航空学の基礎を作った人物。


…訳す作業そのものより鳥の名前を調べるのに苦労してしまいました! これは2008年の記事ですので、その後また新しい情報が書き換えられているかもしれません。それにしても、渡り鳥たちの冒険には、声援を送りたいです。

訳文なかほどの アマツバメ、オオソリハシシギ、カリガネ、マガンのスナップショットは、長崎県で野鳥観察をしていらっしゃる「野鳥散歩」様からお借りしました 綿密な野鳥観察データと、鳥たちの素敵な写真がいっぱいのHPですので、鳥好きな方にはおすすめ! こちら
本日お客人あり。お茶菓子のケーキを買いに、アトリエ・ヨロイヅカへ。

爽やか系のムース「ポンムヴェール」
青りんごと白ワインのムースで、やさしい味です。

pomme klein


もうひとつ、こちらは焼き菓子の「トシ・マンデルクローネ」
mandel klein
パティシェ鎧塚氏の原点..と言って売られているお菓子。
鎧塚氏がスイスのシャフハウゼンで修行を始めた頃に、試行錯誤の末に完成して、スイスの人達に愛されるようになったお菓子なんだそうです。
上にのっているのは、シナモン風味のシュトロイゼル。下はアーモンドクリームを練りこんだパイ生地。ごつごつして見えますが、切り分けるとサクッとしていて、口の中では意外にしっとり。 
素朴な感じで美味しかった! ごちそうさま ^^  

リゾットだ~い好き! 
フレッシュバジルと松の実のリゾットを作ってみました。

risotto klein

<材料>
玉ねぎ みじん切り 適量 
チキンコンソメスープ (なければ固形キューブ)
バジルの葉  (なければ市販のバジルペースト)
松の実 少し
ごはん (少し硬めに炊いたものがよい)
パルメザンチーズ、オリーブオイル、バター少し、塩、胡椒

*フレッシュバジルはあらかじめ、オリーブオイルと一緒にミキサーにかけて、ペーストを作っておく。または、まな板上で徹底的にみじん切りにして、オリーブオイルで伸ばしたペースト状のものでも大丈夫。市販のペーストがあれば、この作業は省略。

*松の実をフライパンで油をひかずに炒る。焦げないように弱火で揺り動かしながら、少し色づく程度に。焦げると苦味が出る。

*フライパンにバターとオリーブオイルを入れて、玉ねぎみじん切りを炒める。(もしにんにくを使いたければ、ここで一緒に加えて炒める) 
硬めに炊いたゴハンと熱いチキンスープ(または湯と固形キューブをくだいて)を投入。少し煮て味がなじんだら、松の実、バジルペースト、パルメザン、塩、胡椒を入れて、かき回して出来上がり。盛り付けにバジルの葉をのせると豪華に見える。

薄いグリーンのリゾットで見た目も味も guuuut! です。
なお、上のレシピは esszettel.wordpress.com の Basilikumrisotto を参考にしました。原文のレシピでは、米を煮る過程で発砲ワインを加えていました。
せっかくなので、原文にあった料理用語をおさらい...

fein würfeln 細かいさいの目
fein hacken 細かいみじん切り
abzupfen  葉をちぎり取る
rösten  ローストする
leicht verbrennen すぐ焦げる
andünsten 熱を加えて香りを出す
bräunen きつね色にいためる
mit Sekt ablöschen 発砲ワインを振りかける
angießen  注ぎ入れる
die Flüssigkeit aufsaugen 水分を吸収する
aufgebraucht sein 使い切る
butter unterrühren バターを混ぜ込む
den Parmesan untermengen パルメザンを混ぜ入れる
Pinienkerne einrühren  松の実を混ぜ込む


大きな貝ですね~! これは5千万年前の貝の化石で、なんと100歳くらいにもなるものだそうです。 シュピーゲル紙に、この貝の年輪と異常気象についての記事が載っていました。
題は『古代の気象現象を貝が教えてくれる』です。主要な部分を訳してみました。

muschel klein

ハンブルク発
ペルーの大雨と洪水、オーストラリアの干ばつ …太平洋一帯では 3~6年毎にエルニーニョ現象が起こり、海流や風が通常と違う動きをする気候変動が起こる。太平洋赤道域からペルー沖にかけて海面水温が上昇すると、海は栄養不足の状態になり、魚がもっと南方や深海へと移動してしまう。すると、多くの海鳥やアシカ、トドなどの海獣が食糧不足で死んだり、猟師が仕事を失う結果をもたらす。

エルニーニョ現象とは反対に、海面水温が低くなるラ・ニーニャ現象も交替に現れて、ペルーには乾燥、オーストラリアには多雨をもたらす。気候学者達は、別名「エンソ(*1)」と呼ばれるこうした気候変動が将来どのようになっていくのか、大きな問題と考えている。地球規模の温暖化によって、エル・ニーニョが何年も続くのではないかと心配する学者もいる。

しかし、極地方と海洋を研究しているトーマス・ブレイ氏(*2)らの国際科学者チームは、エンソによく似た気候変動がすでに古代に起こっていたこと、また気候変動はエル・ニーニョを加速させないであろうという見解に達した。

ブレイ氏らがジオフィジカルリサーチレターズ誌に発表したところによると、研究チームは南極地方の貝の成長年輪を調査した。この貝は5千万年前のセイモア島のもので、約100年間も成長し続け、石灰質の殻には樹木のように、毎年リングが形成される。

「このような貝殻は、まさに気候のアーカイブなのです。」とブレイ氏は語る。貝の年輪には、エルニーニョによる3~6年周期の成長リズムパターンが存在していたのだ。

「これは、5千万年前に温暖から寒冷へ、そしてまた温暖へと、行ったり来たりの変動を繰り返していたことの証拠です。」とブレイ博士は語る。この時代は、これまでの地球の歴史で最後の温暖期で、始新世と呼ばれている。南極には樹木が茂り、海水温は10度~16度あった。海面水温が異常に高い年には、貝はわずかしか成長しないので、貝殻から得られる情報が、研究者たちの道しるべとなった。
現代の気候データと、始新世時代に起こっていたであろう気象変動データを比較したところ、両者は一致していたのだ。

今回の発見には、多くの気候学者が興味を寄せている。もしブレイ氏らの主張が正しいならば、南太平洋の気候をより正確に予測出来るようになる。

(*1)エンソ El Nino-Southern Oscillationの頭文字をとったもの。 大気と海洋の大規模な気候変動を指す言葉
(*2)トーマス・ブレイ氏  ブレーメン大学教授、Alfred-Wegener-Institut fuer Polar- und Meeresforschung(アルフレッド-ヴェーゲナー極地方・海洋研究所)の研究者


…古代のロマン!...と思って読んでみましたが、科学用語に不慣れで...けっこう大変でした! ふーっ!
なお、出典は こちら










いつ読んでも楽しくて、大好きなお話『大どろぼうホッツェンプロッツ』
ドイツの児童文学者オトフリート・プロイスラー(1923~)の本です。

hotzenplotz 2 klein

何か楽しい本はないかなぁ..という時にはおすすめ!
おばあちゃんのだいじなコーヒーひきを奪った大泥棒を追って、カスパールとゼッペル、二人の少年が大活躍するお話です。
大どろぼうホッツェンプロッツ、大魔法使いペトロジリウス=ツワッケルマン、妖精アマリリス、おまわりさんのディンペルモーザー氏....登場人物を並べただけで、どこかユーモラスな感じがしますね。

そして、フランツ・ヨーゼフ・トリップの挿絵がすごくいいんです!

挿絵 小

ね! この変てこさがたまらない...

悪者を欺くためにカスパールは、すご~く頭が弱い振りをする.. そうして相手の隙をうかがって...『クラバート』に登場する「ユーロー」が、「まぬけ」を装って窮地を切り抜けるのと、通じるものがあるような気がします。こういうキャラクターの描き方がいいなぁ...何というか、読み飽きない面白さ。

作者のオトフリート・プロイスラーは、今年10月20日に88歳の誕生日を迎えるそうです。
うちの近所に、今をときめくパティシェ鎧塚俊彦氏のケーキ店があります。いつ行っても色とりどりのケーキがいっぱい! … 贅沢なことですよね。
せっかくの素敵なケーキなので、ご紹介させて下さい。
こちらはチョコレート系の生ケーキ ムッシュ キタノ

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あの北野武氏をイメージして作ったのだそうです。
チョコレートムースとガナッシュ、花こしょう&花山椒の香りのケーキ。ピンクペッパーとナッツが飾りに使われています。中はチョコのムースだけでなく、カスタード系らしき黄色いムースの層もあって、見た目よりず~っとゴージャスな食べ応え。飾りのピンクペッパーが、「あら、これペッパーの粒!」とびっくりする所が、北野武監督のイメージなのだそうです。

もう一個、人気ケーキの カフェ・ルージュ
ミルクチョコレートとコーヒーのムースです ↓

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あれー! 早く食べたいばかりにあせって、ぶれてしまいました! このケーキを見ると、私はいつも太陽系を思い出してしまいます。上に飾られた円盤チョコの大きい方には、不思議な赤っぽい模様があって、木星みたい。小ぶりの円盤は天王星で....ぶれてて見にくいんですけど、左端には小チョコ粒が乗ってて、これは大きさから言って地球だよね… などと、食べる前から楽しい! 小ぶりに見えますけれど、中は濃厚ムースが層になってて、ずっしり系です。工房のパティシェさんのオススメだそうですよ。 ごちそうさまっ!
8月19日の日記に、コーヒーが血管をやわらかくする働きがあるらしい…という記事の訳を載せました。
もっといい話はないかなぁ...と、コーヒーの効能について検索してみたら、皮膚癌にかかりにくくなるという話が! ドイツの医学情報誌に8月16日に掲載された記事。 と~っても嬉しい話なので、頑張って翻訳してみました。
題は『カフェインが皮膚癌を防ぐ可能性』です。

出典は こちら
下は翻訳文です。

(Piscataway発) 海辺のコーヒースタンドで飲む一杯のカプチーノが、すぐに日焼け止めクリームに取って代わるわけではないけれど、これまでに数々の疫学研究によって、コーヒー愛飲者はめったに皮膚癌にならないことがわかっている。学会誌ナショナル アカデミー オブ サイエンスに、その理由についての研究報告が発表された。

9万人以上の女性を対象にした調査で、一日に一杯のコーヒーを飲むことが、非メラノーマ性皮膚癌にかかるリスクを5%下げることがわかった。これは、ウーマンズヘルス イニシアチブ(WHI)の観察結果をもとにしている。

一日に6杯以上飲む女性の場合、基底細胞癌や扁平上皮癌のリスクは31%も低かった。この保護効果は紅茶では少なく、カフェインフリーコーヒーでは全くない。なぜなら、予防効果はカフェインによってもたらされるからである。実際にカフェイン含有の保護剤を塗ったハイリスクマウス(*1)の実験で、扁平上皮癌は72%まで防ぐことが出来た。

カフェインが皮膚癌発生をどのように防いでいるのか、メカニズムはわかっていない。アメリカのアラン・コニー教授(*2)を含む複数の癌研究者たちは、たんぱく質キナーゼATRが活性化するのを抑制する働きがあるからではないかと、推測している。

細胞周期の過程において、このATRキナーゼが細胞の損傷箇所を特定し、別の修復キナーゼによってそれが修復される。この働きによって、細胞がアポトーゼ(細胞自死)から護られるわけだが、逆に癌細胞をも死滅から護る結果をもたらしているのだ。


ATRキナーゼの抑制効果を持つ多くの物質について、遺伝子レベルでの癌治療効果を高めるべく、臨床研究が続けられている。

癌の発生増殖にATRがどのように関わっているかを知るために、コニー教授を中心にする研究者グループは、遺伝子操作マウスを使って、実験を行っている。皮膚に塗ったカフェインの効果についてシミュレーションされた結果、実験室のマウスは明らかに、皮膚癌にかかりにくい事がわかった。紫外線を浴びたことによる皮膚腫瘍は69%減少し、侵潤性腫瘍はほとんど発生しなかった。

予防効果が現れるのは実験の初期だけで、紫外線を長く浴び続ければ、すべての実験動物に扁平上皮癌が発生した。コニー教授の推測によれば、カフェインには予防効果があるものの、すでに発生した腫瘍の進行を食い止めるまでには至らない。

コニー教授はこの研究結果を受けて、将来は日焼け止めクリームの成分に、カフェインが含まれることになるだろうと推測している。今後は実験室での研究を臨床に移して、結果が示されるのを待つばかりである。


(*1) 遺伝子組み換えによって、紫外線感受性を高めたマウス
(*2)アラン・コニー教授…アメリカ ニュージャージー州のスーザン リーマン カルマン癌研究所の研究者

この記事の研究対象は女性にしぼられているようなので、男性はどうなのでしょうか....男女のちがいについては気になる所です。でも、コーヒーにこんな効果があるなんて、嬉しいですね!
医学の知識がないので、苦しい翻訳作業で..(汗)。
医学用語は下のように訳しましたが、もし間違いがありましたら、どうぞご指摘ください。

nicht-melanotischer Hautkrebs 非メラノーマ性皮膚癌
Basaliome  基底細胞癌
Spinaliome  扁平上皮癌
Enzym ATR  たんぱく質キナーゼATR
invasiver Tumor  浸潤性皮膚腫瘍
2011.09.09 3拍子は苦手?
ピアノ初心者の多くが「苦手~!」とおっしゃるリズムがあります。ピアノの先生ならどなたも、激しくうなずかれるはずの...8分の6拍子にタイや休符が入っているリズム。うちの生徒さんのひとりが、ここで苦戦しています。


noten klein

一番上のは4分の4拍子で、ありきたりのリズム …易しいよね!

二番目のは、同じリズムにタイがあるもの …たいていは問題なし!

三番目は8分の6拍子で、基本のリズム形 …少し練習すれば大丈夫!

しかし問題は四番目の、8分の6拍子にタイが組み合わさったものです。もしも左手が別のリズムで動いてたりすると、もうアウト! …「なんかわかんな~い!」

二番目と四番目で何が違うかというと、ベースになる拍取りが、上は4拍子、下は3拍子。拍子が偶数でないことが、混乱の原因になっているんです。
こういう時は、あせらず時間をかけてリズムに慣れる練習をすれば、じきに何とかなります。教える側はあの手この手で、リズムカードや言葉遊びをしながら、慣れさせてゆくんですけれど、正直けっこう根気のいる作業です。ソルフェージュ教育の必要性を、ひしひしと感じる場面です。

日本人は農耕民族なので、2拍子や4拍子がお手の物で ... 鍬で畑を耕すのは1.2.1.2. ですものね。
3拍子というのはもともと、ダンスのステップや乗馬のリズムで、騎馬民族である西洋人には何でもないけれど、日本人は「苦手だ!」とおっしゃる方が多い。本人は苦手と思っていなくても、軽やかに弾くのは難しい。

まったく余談ですが、以前ある代議士さんが決起集会で、音頭を取って歌っていらっしゃるのをテレビで目にしました。こぶしをエイッ、オーッ、エイッ、オーッ..と突き上げたり引っ込めたりして、2拍子のリズムを取りながら、歌っていたのは3拍子の曲でした! 嗚呼...

すべては、拍子を偶数でとりたい…という潜在的欲求からくるもの。3拍子系の3拍目を軽く弾くのが難しいのもそうだし、上の写真4番目のリズムのように、3拍子きざみの先にタイがあったりすると、強拍の持って行き所がなくなって、難しく思えてしまうんですね。
リズム練習すれば出来るようになりますから、頑張りましょう!



一冊の本が、それまで知らなかった世界の扉を開けてくれる… そこまで決定的ではないにしても、私にとってこの本は、ドイツ文学との出会いだったような気がします。

rotte klein

20代の時、たまたま知り合いになったドイツ人女性に、「ドイツ語に興味があるならケストナーが楽しいわよ」と言われたのがきっかけ。紀伊国屋書店に、原書と邦訳本を買いに行きました。その頃は語学力がなくて(今だってないが、当時はもっともっとなかった!)、苦労して数ページ読んでは、ため息をついた記憶があります。文字より挿絵を眺める方が楽しかったかも(笑)


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9ページ目ですでに、今でもはっきり覚えている《箱根の関所》がありました。 この文↓

Das beste wird sein, du beißt ihr die Nase ab!
一番いいのは、(彼女の)鼻をかみ切ってやればいいのよ!


おしまいのabは、分離動詞の abbeißenである…というのはOK. 
しかし、しかし、何故「彼女の」が、3格ihrなのだ? これはミスプリではないか? ihre Naseの間違いではないのか?....と、首をひねりましたね。調べるうちに「所有の3格」というものだとわかったけれど、ピンと来ないというか、居心地の悪い気分だったのを覚えています。そういうレベルで読もうというのが無謀なことでした。

でも読み進めるうちに、いつの間にかケストナーの世界にすっかりはまってしまって、お気に入りの一冊になりました。ストーリーがいいですよね。うり二つで性格の違う双子が、互いに入れ替わって暮らす… ドイツでは2回も映画化されているし、アメリカ映画「罠にかかったパパとママ」も、美空ひばり一人二役の映画「ひばりの子守唄」も、原作はこの本なのだそうです。

好きなシーンは沢山あるけれど、とくにこの場面...
料理上手のロッテになりすましたルイーゼ(実は料理未経験)が、マカロニスープを作ろうと台所で奮闘するけれど、うまく出来ず、台所の椅子にへたばってしまう。

ルイーゼは..「こんなこと、わけないわ。」とつぶやきます。しかしお料理は特別なものです。高い塔から飛びおりるのには、決心だけで充分かもしれません。だが、肉といっしょにマカロニを煮るには、意思の力より以上のものが必要です。  (高橋健二訳 岩波少年文庫)

上の文の「こんなこと、わけないわ。」..の原文は Das wär doch gelacht!

ケストナーの描く子供たちは、本当に生き生きしていて、存在感たっぷり。時々懐かしくなって、読み返したりしています。


ベランダ前の木立から、オーシンツクツク...とセミの声が聞こえます。ツクツクボウシが鳴くと秋の始まりですね。
今日はチョキチョキ、はさみと糊で、切り紙細工の日。

切り貼り

何をやっているかというと、サッカーボールの絵を使って、リズム遊びの材料つくりです。
ピアノ教室に、サッカーに夢中な5歳の男の子が入ってきたので、導入のための教材制作。いきなり音符を見せても、キョトンとしてしまうので、その子の大好きなものを音符のかわりに並べます。チョキチョキチョキ..
さて、うまくいくかな...?

ところで話はかわって.. 
パソコンの前でくつろいでいる時に、お気に入りのブログをのぞく楽しみってありますよね。そんな中から私の大好きな、素敵なブログをひとつ、ご紹介させて下さい。もうご存知の方も多いと思いますが、
こちらです→ 『ほにゃく犬とほにゃくハリの字幕ほにゃく日記』

ドイツ語字幕翻訳者ありちゅんさんの人気ブログで、ドイツ関係の話題がいっぱい!。私はもう数年来読んでおります。いつも関心するのは話題の豊富なこと、子供のように探究心旺盛なこと。 語学が出来る人っていうのは、こういう風に語彙を増やしてゆくのか!…と、驚いたり参考になったり。

映画の字幕で、言葉や民族の歴史的な背景を知らないと、適切な訳にならないことって多いらしいのです。そういう時も、とことん調べつくして訳語を探すらしくて、「あぁ、映画の裏側にこんな努力があったのか!」と、映画を見る時の態度も真面目になりました(笑)。 可愛いワンちゃんとハリネズミがご家族の一員で、写真も楽しみです。
最近、ドイツ映画に特化したブログを新しく始められて、そちらは
『字幕ほにゃく犬のドイツ映画日記』

どちらも、ドイツやドイツ映画に興味をお持ちの方にはオススメです!

28、29日の日記で取り上げたクレマー教授について検索してみたら、別の新聞にもうひとつインタビューが載っていました。「我ら、臆病うさぎ」と題された記事を開いてみたら何と、可愛いうさぎの写真が! あまりにカワイイ...目がくぎ付け! 見てみてっ…と言いたい気分…  記事は こちら

うさぎ好きにはもう、たまらないポーズ。

うちには以前、垂れ耳うさぎがおりまして、名前はちゃんとあったのですが、容貌から「おぢちゃん」と呼ばれておりました。おぢちゃんの趣味は私のストーカーで、狭いマンション生活ながら、台所の方へ行けば台所へ、食卓へ行けば食卓へと、私の足もとを追いかけてくれていました。残念ながら6歳で病に倒れて亡くなりましたが、いまだ私がうさぎ好きであることに、変わりはありません。下はおぢちゃん、思い出の一枚。嗚呼、懐かし...

rop klein


…頭を冷やして本題にもどって(笑)、 新聞とは思えないほど可愛らしいこの記事は、オストゼー新聞のインタビュー。クレマー教授の語る内容は、28日の日記翻訳文とほぼ同じで、食品の有害物質基準値について、とくにドイツ人が大騒ぎすることをいさめる話をしています。後半に少し違う角度で話しているので、その辺を訳してみました。


クレマー  私達は「えんどう豆の上に寝たお姫様」(アンデルセン童話)のように、リスクに対する感度が良すぎる状態です。ごくわずかな危険であっても、敏感に反応してしまうのです。

OZ(オストゼー新聞の略)  ではそのスイッチを切ったほうがよい?

クレマー リスクに対するスイッチを切ることなんて出来ません。
野菜や果物において、殺虫剤使用限度はごく微量に設定されていて、それを守るために農家はかえって多くのコストをかけています。基準をゆるめて限度値を上げると、健康に対するリスクを増やすことなく、農作物を安く作ることが出来ます。リスクを最小に設定することは、私達にとって高くついているのです。食品に限らず、路上交通でも同じことです。

OZ どのように?

クレマー 例えば、ヘルメット装着義務の問題です。ヘルメットを被るとライダー達は、前よりも速く走るようになります。アメリカで、ヘルメットが義務化されている州と、されていない州がありますね。オートバイの死亡事故はどちらが多いと思いますか?

OZ そういうお尋ねなら多分、装着義務の州でしょうか?

クレマー  そのとおり。スリリングに走ってしまうんですね。自動車でも同じことで、ABSのある車の方が事故率が高くなるので、例えばアメリカでは、より高い保険料を払わなければなりません。 

OZ つまり、リスクを楽しんでいる面があると?

クレマー ええ、私たちはある一定レベルのリスクを、心を乱すことなく受け入れているのです。そのリスクが外からの力で減らされると、それを取り戻す行動に出ます。以前アメリカの友人が面白い提案をしたことがあります。各自動車のハンドルの所に、尖った槍を装備させて、衝突したらドライバーの心臓に刺さるようにする。みんなおっかなびっくり細心の注意で運転するようになって、衝突事故がなくなるという理論です。

OZ  それはまた困ったことですね。

クレマー 勿論、彼は冗談で言ったのですよ。いずれにしても私たちは、『リスクがゼロになる幻想』を捨てるべきです。いちいちパニックに陥っていてはいけません。不安というものは遺伝子にすでにプログラミングされているもので、私たちの理性がそこに束縛されてはいけないのです。不安感をうまく処理して、精神が一番高い位置にあるように...多分私たちは、そういう風になれると思いますよ。