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2012.10.13
パロディー赤ずきん
NABU(ドイツ自然保護協会)のHPをのぞいていたら、ちょっとケッサクなものを見つけてしまいました。
「赤ずきんちゃん」のパロディー
さっそく訳してみましょう!
以下訳文

メルヘンの中の狼…真実か濡れ衣か
おとぎ話にたびたび登場する狼…小さな子供の頭に、『狼は悪くておそろしいもの』というイメージが、しっかりと植え付けられる。
1812年に出版された「グリム童話」はその筆頭。猟師が赤ずきんちゃんとおばあさんを救出し、狼の腹に石を詰めて殺す。
しかし、視点を変えて狼の立場でお話を読むと、これは不運な出来事の連鎖、世紀を越えるネガティブ・キャンペーンのようにも見えないだろうか。
ぜひ一度子供たちのためにも、狼の信用を回復するチャンスを与えてほしい。
悪評を立てられた狼の言い分
私は森の住人。森が秩序正しくきれいに保たれるよう、いつも気を配っている。
ある晴れた日のこと、人間どもがピクニックで残していった残飯を掃除していると、足音が聞こえた。
木の陰からのぞくと、かごを持った女の子が歩いて来るのが見える。何とあやしげな恰好! その子は、顔が見えない程ので~っかい赤ずきんを、すっぽりかぶっていたのだ。
ひとを外見で判断してはいけない。
しかし、ここは私の森。当然私は「お前は何者?何しに来たのか?」と質問した。
女の子はツンとして「よそ者とはお話しないの」と言った。
「よそ者」だと! 長年この森で子育てしてきた私に向かって、何という言い草!
しばらくすると女の子は、病気のおばあさんに昼ご飯を届けるのだと話し始めた。
正直な女の子のようだ。
しかし、ひとが住み家にしている森を、奇抜であやしげな恰好でうろつくのは良くないと、教えてやらねばならない。
私は女の子を行かせ、おばあさんの家へ先回り。そしておばあさんに相談を持ちかけた…孫娘はもっとまわりへの配慮を学ぶべきではないか? それを学ぶよいチャンスではないか?
おばあさんは私の意見に賛成し、ひと芝居打つことにした。私がおばあさんの服でベットに入り、おばあさんは私が呼ぶまでベットの下に隠れているのがよいだろう。
女の子が到着。
赤いほっぺをしてベットの横へ来るなり、私の耳が大きすぎると失礼千万なコメントをした。
私は大いに気を悪くしたが、そこは我慢して「おまえの言葉をよく聞くためだよ」と答えた。
なんと言っても私は女の子の味方なのだ。
しかし彼女のおせっかいな発言は続いた。今度は私の目が大きすぎるというのだ。
はじめ好ましく見えた女の子が、実はこんなにも意地の悪いやつだったとは...私の落胆を想像してみてほしい。
それでも私は怒りを鎮めて、「お前をよく見るためだよ」と答えた。
ところが女の子の侮辱は止まらなかった。
今度は、どこから見ても大きい私の歯をやり玉にあげたのだ。
我慢できればよかったのだが、私はベットから飛び上がり、「お前を食べるために大きいのだっ!」と、うなってしまった。
それでどうなったかというと.....これまで女の子を食べたオオカミはいないと、誰でも知っているのに、この愚かな子供は叫びながら家の中を走り始めた。
私は「落ち着いてくれ」と言って後を追いかけながら、おばあさんの服を脱ぎ捨てた。
家の中は大混乱。
突然ドアが開くと、2mもの長身の森番が、手に斧を持って立っていた。
誰が見ても私が不利な状況。私は開いていた窓から外へ飛び出した。
ここで話が終わればまだ良かったのだが、残念なことにおばあさんは、この話を語る時に決して私の味方をしてくれなかった。
やがて、オオカミは信用ならない恐ろしい生き物だという通説が広まっていった。
奇抜な赤い頭巾の女の子がその後どうなったかは、知らない。
いずれにしても私の一生は、その後不幸せなものになった。
翻訳おわり
笑わせてくれますね(^^)
nabuのもと記事(ドイツ語)は こちら
パロディー文の出典は、Lamie Walker著 Praxisbuch-Gawaltfreier Umgang mit Konflikten(暴力に頼らない紛争解決の実践テキスト…直訳)だそうです。
「赤ずきんちゃん」のパロディー

さっそく訳してみましょう!
以下訳文

メルヘンの中の狼…真実か濡れ衣か
おとぎ話にたびたび登場する狼…小さな子供の頭に、『狼は悪くておそろしいもの』というイメージが、しっかりと植え付けられる。
1812年に出版された「グリム童話」はその筆頭。猟師が赤ずきんちゃんとおばあさんを救出し、狼の腹に石を詰めて殺す。
しかし、視点を変えて狼の立場でお話を読むと、これは不運な出来事の連鎖、世紀を越えるネガティブ・キャンペーンのようにも見えないだろうか。
ぜひ一度子供たちのためにも、狼の信用を回復するチャンスを与えてほしい。
悪評を立てられた狼の言い分
私は森の住人。森が秩序正しくきれいに保たれるよう、いつも気を配っている。
ある晴れた日のこと、人間どもがピクニックで残していった残飯を掃除していると、足音が聞こえた。
木の陰からのぞくと、かごを持った女の子が歩いて来るのが見える。何とあやしげな恰好! その子は、顔が見えない程ので~っかい赤ずきんを、すっぽりかぶっていたのだ。
ひとを外見で判断してはいけない。
しかし、ここは私の森。当然私は「お前は何者?何しに来たのか?」と質問した。
女の子はツンとして「よそ者とはお話しないの」と言った。
「よそ者」だと! 長年この森で子育てしてきた私に向かって、何という言い草!
しばらくすると女の子は、病気のおばあさんに昼ご飯を届けるのだと話し始めた。
正直な女の子のようだ。
しかし、ひとが住み家にしている森を、奇抜であやしげな恰好でうろつくのは良くないと、教えてやらねばならない。
私は女の子を行かせ、おばあさんの家へ先回り。そしておばあさんに相談を持ちかけた…孫娘はもっとまわりへの配慮を学ぶべきではないか? それを学ぶよいチャンスではないか?
おばあさんは私の意見に賛成し、ひと芝居打つことにした。私がおばあさんの服でベットに入り、おばあさんは私が呼ぶまでベットの下に隠れているのがよいだろう。
女の子が到着。
赤いほっぺをしてベットの横へ来るなり、私の耳が大きすぎると失礼千万なコメントをした。
私は大いに気を悪くしたが、そこは我慢して「おまえの言葉をよく聞くためだよ」と答えた。
なんと言っても私は女の子の味方なのだ。
しかし彼女のおせっかいな発言は続いた。今度は私の目が大きすぎるというのだ。
はじめ好ましく見えた女の子が、実はこんなにも意地の悪いやつだったとは...私の落胆を想像してみてほしい。
それでも私は怒りを鎮めて、「お前をよく見るためだよ」と答えた。
ところが女の子の侮辱は止まらなかった。
今度は、どこから見ても大きい私の歯をやり玉にあげたのだ。
我慢できればよかったのだが、私はベットから飛び上がり、「お前を食べるために大きいのだっ!」と、うなってしまった。
それでどうなったかというと.....これまで女の子を食べたオオカミはいないと、誰でも知っているのに、この愚かな子供は叫びながら家の中を走り始めた。
私は「落ち着いてくれ」と言って後を追いかけながら、おばあさんの服を脱ぎ捨てた。
家の中は大混乱。
突然ドアが開くと、2mもの長身の森番が、手に斧を持って立っていた。
誰が見ても私が不利な状況。私は開いていた窓から外へ飛び出した。
ここで話が終わればまだ良かったのだが、残念なことにおばあさんは、この話を語る時に決して私の味方をしてくれなかった。
やがて、オオカミは信用ならない恐ろしい生き物だという通説が広まっていった。
奇抜な赤い頭巾の女の子がその後どうなったかは、知らない。
いずれにしても私の一生は、その後不幸せなものになった。
翻訳おわり
笑わせてくれますね(^^)
nabuのもと記事(ドイツ語)は こちら
パロディー文の出典は、Lamie Walker著 Praxisbuch-Gawaltfreier Umgang mit Konflikten(暴力に頼らない紛争解決の実践テキスト…直訳)だそうです。
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