2013.09.27 蝙蝠
ここは世田谷区、環状八号線のすぐ近く。
夕暮れ時、駐車場に車を停め空を見上げると、ひ~らひら何か飛んでいます。
こんな町にも住んでいるんですね、コウモリが!

帰宅してコウモリの話をすると、家族の反応は...「見間違いじゃないの?」。
そこで、早速「世田谷区、コウモリ」でgoogle検索してみると.....

「コウモリ駆除は当社におまかせを~!」という広告がごっそり出てきました
…ということは、やっぱり都会にもいるんですよ、コウモリが。

そこで今日は、ドイツのコウモリ事情をご紹介。
NABU(ドイツ自然保護協会)のHPをのぞくと、ユニークなコウモリプロジェクトの記事が載っています。
HPから、シュレースヴィヒ=ホルシュタイン州とハンブルク州の記事を翻訳してみます。

『コウモリに優しい住宅プロジェクト』

plakette1.jpg
シュレースヴィヒ・ホルシュタイン州の「コウモリに優しい家」プレート)..かわいい!


コウモリは私たち人間のそばで、時には同じ屋根の下で生活している。
しかし夜行性のため、人目に付くことはほとんどない。
コウモリの特技は暗闇でも飛べること。とくに夏の夕暮れ時、昆虫を求めて飛び回る姿を見ることが出来る。
fledermaus1.jpg

彼らのねぐらは家々の屋根裏やちょっとした隙間など。建物に害を与えることはない。
しかし家屋のリフォームや近代化、または取り壊しなどによって、コウモリの生きる空間はどんどん減り、人間とコウモリの共生は難しくなっている。

小さなアクロバット飛行名手たちに、ねぐらとなる場所を提供して下さい。協力してくださる家には、認定証を差し上げています。

plakette2.jpgハンブルク州「コウモリに優しい家」プレート

Pipistrellus1.jpg Zwergfledermaus

翻訳おわり
このプレートを掲げている住宅は、すでに2862軒。改築の時わざと屋根裏部分に隙間を残したり、家の外側にNABU提供の巣箱を掛けたりするそうです。屋根裏の場合、糞はどうするのかな....
unterschlupf.jpg NABU特製コウモリ巣箱

ひとくちにコウモリと言ってもたくさん種類があって、世界の哺乳類4000種のうち、1000種はコウモリなんだそうです。おそるべし、蝙蝠!
そして一晩に500匹も蚊を食べる!

日本語では  蝙蝠
ドイツ語では  Fledermaus (飛ぶネズミ)
フランス語では Chauves-Souris (禿げネズミ)
(よけいなうんちく…ドイツ語のFledermaus は、姿がネズミに似ていることから Fliegende Maus=飛ぶネズミ)

ドイツのコウモリはZwergfledermaus (pipistrellus Pipistrellus)という種類で、日本のイエコウモリ(アブラコウモリ)とは違うようです。正式な和名がわからなかったので、ただ「コウモリ」という訳語にしました。

もと記事(ドイツ語)は こちら と こちら
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モーツァルトクーゲル」というお菓子をご存知ですか?
ピンポン玉くらいの大きさのチョコレート菓子で、包みにモーツァルトの顔が印刷されていたりします。
モーツアルトが生まれた町ザルツブルグの定番おみやげ。甘い!

mozartkugel1.jpg 
Fürstのモーツァルトクーゲル


数あるモーツァルトクーゲルの中で、本家本元は「フュルスト」というお店。
私も買いました! ザルツブルグへ旅行した時、わざわざ本家フュルストのお店まで行きましたっけ。
シュピーゲル紙にこの老舗が紹介されています。
なつかしい! 読んでみることにしましょう。抄訳です。


『本物にだけヘソがある』

ザルツブルグ市内の、とある店先。ショーウィンドウをのぞくと、ピラミッド型に積まれた金色の「本物のモーツァルトクーゲル」が目に入る。
はて、ということは、本物じゃないのもある? 

…「ええ、どれにも『正真正銘の...』と表示されていますけれど、本物はひとつだけですよ」と、マルチン・フュルスト氏(37)は言う。彼は老舗Fürstの主人。高祖父パウルが、モーツァルトクーゲル生みの親だ。


1890年パウル・フュルストは、ピスタチオのマジパンとヌガーで出来た丸い芯に、チョコを上掛けするお菓子を考案した。当初の名前は「モーツァルトボンボン」だったが、やがて「モーツァルトクーゲル」に改名。
このお菓子はザルツブルグっ子ばかりではなく、旅行者にも大人気となる。
1905年パリで開かれた食品博覧会で金メダル受賞。しかしパテントは申請しなかった。

martin fuerst 
(店主のフュルスト氏)

フュルストでは現在も、初代パウルのレシピ通りにお菓子を作っている。
まず丸いピスタチオのマジパンをヌガーでくるむ。1個ずつ短いスティックを刺し、チョコレート液に浸し、乾かす。
abtropfen.jpg

その後スティックを抜き取るが、抜き取った跡の穴には、手作業でチョコを埋め込む。
このため、フュルストの製品には必ず「出べそ」があり、完全な球体ではない。これがオリジナルのモーツァルトクーゲルである。
verschliessen.jpg

フュルスト以外の店では、「Marabell」と「Reber」のものが有名。どちらも金色の包みにモーツァルトの顔が印刷されている。これらは乳化剤を使う製法で大量生産されており、世界的な市場を獲得している。

しかしフュルストの品物はザルツブルグにしか売っていない。外国からの注文にはFaxが唯一の手段。
なぜFax?....

「注文量が増えすぎないようにとの対策です。うちはザルツブルグの小さな手作り菓子店ですから、当然生産量には限界があります。世界規模で売るためには工場を建てたり、消費期限を延ばすための添加物も必要になります。それはしたくありません。作りたてを食べていただくのが一番ですから」と、フュルスト氏は言う。

翻訳おわり
ふーん、世界市場は他社にまかせて、ひたすら伝統のレシピを守っているんですね。
このフュルストのチョコ、私はたくさん買って帰りましたが、夢中でむしゃむしゃ食べてしまって、「出べそ」があったかどうか全く記憶になし....うん、あったような気もするか.....

もと記事(ドイツ語)は こちら

きのうの続きです。

ドイツ動物写真協会主催の「自然写真家賞」から、鳥類部門1位の作品です。

2013vogel.jpg
題名は "Eisiger Rastplatz"  撮影Bernd Nill 
直訳で「氷の休憩所」… 「氷の上でひとやすみ」という訳はどうかな...


下は審査員賞の作品
rueckkehr von der jagd
題名 "Rueckkehr von der Jagd"  「狩りから帰還」   撮影Michael Lohmann


そして「その他の生き物」カテゴリーでの優勝は、おなじみのクラウス・タム氏でした。
im spotlight tamm
題名 "Im Spotlight" 「スポットライトを浴びて」

実は去年もこの写真コンテストをブログでご紹介しましたっけ。昨年の総合優勝は、このタム氏でした。道路を歩くカエルのシルエットを、黒白の画面でとらえた印象的な作品。(もしご覧になりたい場合は こちら
この方は、小さな生き物を主人公にするのがお得意なのかも知れません。


もとの写真は こちら のサイトに大きなサイズで掲載されています。

また自然写真家賞のサイト(ドイツ語)は こちら です。


ぎんちゃんを見送ってさびしい一週間が過ぎ....
でも、そろそろ気持ちを切り替えなくちゃ。
また新しいお話を読んでいこうと思います。

今日ご紹介するのは、ドイツ動物写真家協会主催の「自然写真家賞2013」。
「鳥類Vögel」 「哺乳類Säugetiere」 「植物とキノコPflanzen und Pilze」などの7部門あり、さらに全体から 『総合優勝』と 『審査員賞』が一作品ずつ選ばれます。

2013年総合優勝は下の作品。 "Abendidylle"   …直訳すると「夕刻の田園画」
(「夕陽をあびて」という訳はどうかな...ちょっと軽い?)  哺乳類部門での第1位作品です。

abendidylle.jpg
Canon 1D Mark III, Canon 4.0/500mm IS, 1/125, f 4.5, ISO 400, Stativ

撮影者のヘルマン・ヒルシュさんはなんと18歳。総合優勝としては、もちろん最年少記録だそうです。
作品につけられたコメントを訳してみました。
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ドルトムントのような都市の真ん中で、母キツネの子育てを観察できたことは、私が自然からもらった賜物のひとつです。
自宅から2分とかからない所に巣穴があり、その前で8匹の子ギツネが跳ね回っているのです。当然のように私は毎日巣穴の場所へ通い、何時間もそこで観察したり撮影したりして過ごしました。
写真に写っているのは一番大きな子供です。ある日の夕刻、巣穴から最後に登場した彼は、しきりに私の方を警戒しています。怖いもの知らずのチビ達が私の足元でじゃれあっている時に、「おにいちゃん」だけは、こうして沈んでゆく6月の夕陽をながめていたのです。ルール地方の真ん中で、ひとときの田園風景でした。



ヒルシュさんとカメラの出会いは5年ほど前、近所の人にデジタル一眼レフを貸してもらって以来とのこと。
優勝作品、とても詩的な雰囲気の写真ですね。緑の陰影もとってもきれい。
今年の応募作品数は3577だったそうです。
このコンテストのご紹介、明日に続きます。
2013.09.07 お別れ
我が家の長老、私の相棒、最愛の文鳥のぎんちゃんが、旅立ってしまいました。

ほんとうに突然のお別れでした。10歳半。
水曜日、私の目の前で急に体がぐらぐらして、止まり木から落下。以前にも何度か経験した発作です。(飼育書などにはよく「文鳥のてんかん」と書かれている症状です)。

すぐに手の平でつつんであげて、「ぎんちゃん、ぎんちゃん」と呼びかけ続けましたが、いつもの発作とは違うような、いやな感じがします。
それからしばらくして、私の手の中で静かに亡くなりました。あっという間にクチバシから血色が消えました。
あまりに突然のことで、悲しさよりも茫然として.....

てんかん発作が出るようなったのは9歳になってからで、高齢のためだと思います。(文鳥10歳半はヒトの96歳くらいにあたるそうです)。
驚いたりショックになることは厳禁。
日光が当たる所に籠を置いただけで腰が抜けてしまうので、この夏はとうとう日光浴なしで過ごしました。
足腰が弱ってきたので、ケージ内の止まり木レイアウトを「完全バリアフリー仕様」に変えようか、もう1か月くらいしたら...と思っていた矢先のことでした。

発作が起こるまでは普段通り、昼間は皿巣に座ってくつろぐ。リンゴやバナナもしっかり食べて、水浴びもする。前夜もケージから出て…と言ってももう飛べないので、ずっと私の手の平で握っていてもらう.....機嫌よくすごしていたのです。

突然の発作。患って亡くなったわけではないので、少しもやつれず、いつものように立派にチョコンと座った姿のままです。


しばらくは「お墓の植木鉢」をリビングに置いて、一緒にいようと思います。(マンションなので庭がない)

以前うさぎを飼っていた時に獣医さんが「神経症状を持っている子は、低気圧の時注意」と言っていたのを思い出します。関係あるのかないのか....何か予兆があったのか....見逃したのか...あれこれ考えています。


1歳半の凛々しいぎんちゃん
20041212klein.jpg

ぎんちゃんのお友達だったウサギのロップおじちゃん
20040515klein.jpgおじちゃんも神経症状の出る病でした。


好々爺になった9歳のぎんちゃん
20130131klein.jpg
 

毎夜の「にぎにぎタイム」、楽しかったね。
20130807klein.jpg

いつもの生活のなかで、私が居る時に旅立ってくれたのが、せめてもの救いでした。そう思いたいです。
10年半もいっしょに暮らしてくれて、本当にありがとう、ぎんちゃん!
いつもいつも話しかけていたぎんちゃんが見えなくなって、さびしくなりました。





久し振りにドイツの新聞記事の翻訳をしてみました。
話題は左利きと楽器
ツァイト紙、科学欄の記事抄訳です。

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『チャップリンの楽器の方が弾き易い?』

映画『ライムライト』の中で、バスター・キートンのピアノと共に、主役のチャップリンがヴァイオリンを弾くシーンがある。
このシーンの奇妙さにお気づきだろうか? 
チャップリンは左右反対に、つまり右手で楽器を、左手に弓を持ってヴァイオリンを演奏している。しかもヴァイオリンの弦は逆の並びに張られており、通常とはシンメトリーに演奏しているのだ。理由はチャップリンが左利きだったから。このような「左右逆仕様の楽器」も、その演奏姿を見るのも、めったにないことである。

音楽家には左利きが多い。例を挙げれば、ボブ・ディラン、コール・ポーター、ジミー・ヘンドリクス、ニコロ・パガニーニ、ポール・マッカートニー、スティング、そしてモーツァルト、ベートーヴェン....。
左利きは全人口の10%ほどだが、プロの音楽家の場合数字はこの倍になる。ヴァイオリニスト、ヴィオリスト、チェリストなどの弦楽器奏者に話をしぼれば、割合は約40%。
なぜ彼らはチャップリンのように、弓を左手に持って演奏しないのだろうか?

利き手がどちらであろうと、皆まずは右利きの演奏法を習う。
まれなケースで楽器を右手に持ち替え、新しい指使いをおぼえることがある。さらに弦の並び順を逆に張り替えると、「鏡のように左右対称」な演奏になる … ジミー・ヘンドリクスやポール・マッカートニーが若い頃やっていた方法だ。

左利きはひと昔前には「一種の欠陥」と見なされ、子供に「正しい方の手を使いなさい!」とよく言ったものである。こうした無理強いは精神的ダメージにつながると指摘されてから、左利きは市民権を得た。
今日では左利き用はさみや鉛筆削り、缶切りやアイスホッケーのスティックは勿論のこと、左利き警官用ピストルホルダーや、左利き歯医者のための診療台まである。
cello.jpg(チェロを弾くチャップリン。楽器の持ち方が左右逆。)

しかし、こうした利便性と無縁なのが楽器習得の世界。左利き用ヴァイオリンやギターは存在するが、ピアノやチェロはまず目にすることはない。

左利きの音楽家が科学的に注目されるようになったのは、ここ数年のこと。左利きの弦楽器奏者は速いピッツィカート(右手で弦をつまびく)が苦手だったり、それなりの苦労があるらしい。
しかし、ある左利きチェロ奏者は言う。「私が7歳でチェロを始めた時、弓をちょっとでも左手に持つとすぐに注意されました。それ以降利き手に関しては、話題にもなりませんでした。左利き用のチェロがあったとしても、いまからチェンジするなんてとんでもない!」。

持ち替えの成功例は存在する。ヴィオラ奏者ユルゲン・クスマウル氏は、事故で左手の指を2本なくしてしまった。彼は弓を左手に持ち替え、弦の並びを逆に張ったヴィオラを「習い直し」、現在も第1級の演奏を続けている。
しかしこのような逆向きの演奏では、オーケストラに就職することは不可能。弦楽器セクションの統一感も損なわれるし、狭いオーケストラピットでひとり逆に弓を使えば邪魔になってしまう。

左利きならではの長所があることもわかってきた。
右利きの人にとっての左手は一種の「軽い障害」でありつづける。それに対して生まれながらの左利きは、弱者である右手を訓練することで、障害を清算してしまうのだ。

音楽心理学者のコピーズ氏は、左利きの音楽家が多い理由を「淘汰における有利」と説明する。「楽器習得過程で右利きの人は、左手の扱いに手こずってさじを投げてしまうことが多い。しかし左利きの人は、いつも弱い右手を訓練し慣れているので、普段通りに努力をつづけることが出来、そして困難を乗り越えるのです」。

翻訳おわり

楽器と言うのは幼い頃からえんえんと時間をかけて、動きを体に覚えさせていくもの。途中でやり易い方をチョイスするというのは不可能ですね。文中の指をなくしたヴィオリストの件は、例外中の例外でしょう。
ベートーヴェンが右手にペンを持つ有名な肖像画がありますね。文字は右手で書くように練習したのでしょうか...

もと記事(ドイツ語)は こちら 2013年6月13日のツァイト紙です