今日はフランクフルトの、鳥の病院のお話。
ヨーロッパ中から、傷ついた ヨーロッパアマツバメ が毎年数百羽も、治療のために運び込まれているのだそうです。

世界にたったひとつの アマツバメクリニック

アマツバメは日本ではあまり見かけない鳥ですが、ドイツでは街中で繁殖するらしい。
一生のほとんどを空中で過ごす鳥。学名のApusは、ギリシャ語で「足がない」という意味だそうです。
ある女性獣医さんの奮闘を、ドイツのヴェルト紙が紹介しています。

以下訳文 (長い記事ですが勉強のため、ほぼ全部訳しました。私が勝手にカットするのも悪いと思ったので……ざーっとでも目を通して頂ければ幸いです。)

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患者(鳥)によって処置はさまざま。前日に運ばれた鳥の場合は、猫の歯が腹部をえぐって、羽は血液でかたまっていた。この鳥をクリスティーネ・ハウプト医師は、夜間に手術し、傷を手当てし、鎮痛剤を与えた。
「1~2週間はかかるでしょうが、よくなってほしいですね」と語るハウプト医師。
朝6時には、ほかの入院鳥たちに餌を与える仕事が始まる。

このアマツバメ・クリニックは、50歳の獣医師クリスティーネ・ハウプトが運営している。
現在入院中の鳥は70羽。ヨーロッパ各国から運ばれてくる。

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アマツバメは生涯ほぼすべての時間を、空中で過ごす鳥である。
高速で飛び、年に30万kmも移動する。
暖かい季節には、昆虫を追う三日月状の姿を上空に見ることができる。
街中では時速100kmで家々の周囲を飛ぶ。
「もし地面にアマツバメがいたら、緊急事態なのです」と、ハウプトは言う。

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病院の2階には、入院中の鳥を入れた白い箱が並ぶ。群居性の鳥なので、かならず1箱に2羽一緒に入れる。
「ピカソ」というネーミングの鳥は、コンクリート塗料に落下した。
「モルガネ」は猫にやられた。
「フレア」は糸にからまったまま1日半も、屋根からぶら下がっていた。
「フランカ」は巣から落下したらしい幼鳥。

「グレース」はモナコから運ばれてきた。羽の障害は、誤った餌を与えられたことが原因である。「おそらく挽き肉か、キャットフードを与えたのでしょう。これは致命的です。アマツバメは昆虫とクモしか食べられないのです」と獣医師は言う。
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人間が作り出す問題は大きい。とくに夏の間いたる所で改築工事が行われる。
ヒナのいる巣が落とされたり、コロニー全体が工事のシートで覆われ親鳥が巣に近づけず、ヒナは飢え死にしてしまうのだ。「生息数はおそろしく減少しています」とハウプトは言う。

生息数については2つの意見がある。
鳥類学者クラフト氏は、「現在アマツバメの絶滅を心配する必要はない。マールブルグ近郊ではむしろ増えている」と語る。
ドイツ自然保護協会(NABU)の鳥類保護係官ゾンマーハーゲ氏は、逆の意見を持つ。
「ヘッセン州ではまったくいなくなってしまった地方もあり、絶滅が危惧されています。繁殖地と昆虫の減少で、巣立ちヒナの数はどんどん減っています」と語る。
その意味では、ハウプト医師の活動は貴重だ。傷ついた鳥を助けても、種の保全という意味では限界があるものだが、「彼女の活動は注目に値する」とゾンマーハーゲは言う。

病院に来た鳥はみな生きるチャンスを得るわけだが、なかには傷がひどくて安楽死させるケースもある。
長く留め置いて餌を与えることが目的ではない。
haupt5.jpg(ハウプト医師)

ハウプトが鳥の治療を見習いとして初体験したのは1992年。
直後にグラフィックデザインの仕事をやめて、獣医学の勉強を始める。
勉強と並行して、怪我をした鳥の治療を始める。
2000年ドイツ・アマツバメ協会を設立。当時の治療は自宅で行っていたが、2003年クリニックの施設が誕生。

こうしている間に、インターネットで情報が広がった。最近は、ウズベキスタンからメールがきたり、ルーマニアの青年が3日もバスにゆられて、怪我をしたアマツバメをフランクフルトまで連れてきたりすることもある。

この50歳の女性獣医師は、人生をアマツバメにささげたのだ。普通では考えられない人生である。週に1日の休みもとらずにクリニックに立ち、日に18~20時間も働く。手術、餌やり、放鳥のための準備………..

去年から生物多様基金がハウプトを雇った形となり、初めて報酬を得るようになった。それまで彼女は、AvD(Jafのような車のトラブル救援組織)の夜間電話センターで働いて収入を得ていた。
「今は楽になりましたが、家へはめったに帰れません。2週間に1度くらいです」。夜は手術が終わると、たいてい診療所に泊まる。

クリニックは寄付金でまかなわれており、経済的にはずっと厳しい状態が続いている。
餌代だけで年間5万ユーロ。傷ついた鳥が見つかっても、フランクフルトまで同乗させてくれる車がなければ治療はできない。同乗させてもらえるドライバーを募集中だ。(ドイツでは同じ目的地へ向かう人たちが、ひとつの車に同乗するシステムがある。訳者注)

クリニックには、現在25人ほどのボランティアがいる。
トレーニングルームを覗くと、ひとりの男性が飛行訓練を行っている。ほとんどの鳥が怪我のあとは体が硬くなっているので、訓練して筋肉をつける必要がある。
その隣の部屋ではボランティアの女性が給餌中。ピンセットでつまんだコオロギを鳥の口へ運ぶ。
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亡くなった鳥の羽も無駄にはしない。ハウプト医師は原形どおりに並べて保管し、必要があればカーボン製の軸と接着剤で、アマツバメの翼に装着する。もちろんその際には麻酔をかける。「ヒトのかつらのようなものと思ってください。次の換羽期がきて、新しい羽が生えるまでの応急処置です」。
fluegel300.jpg(装着した羽根)

手術した鳥は回復を待って飛行訓練を行い、問題なく飛べるのを確認すると、窓から放鳥する。
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アマツバメは7月末から8月初旬にはドイツを発って、アフリカへの渡る鳥である。この時期までに治療が終わらなかった鳥は、スタッフが箱に入れて、南フランスかスペインまで車で運んで放す。渡りの一部を肩代わりしてあげる方法だ。

「もっと遅れた場合、スペインのフェルテベントゥラ島(カナリア諸島)まで飛行機で運ぶこともあります。そこからアフリカ大陸は目と鼻の先ですから」。
島で撮った一枚の写真。そこに写っているハウプト医師は、手にアマツバメを持ち、幸せそうに微笑んでいる。

翻訳おわり
ど根性獣医さんの長い記事、お読みくださって有難うございました!
原文(ドイツ語、2014年6月28日Welt紙) こちら
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2014.07.21 豊作
うちのベランダに、「朝顔カーテン」と、「みょうがの鉢植え」があります。

2014朝顔

朝顔のほうは....ちょっとスカスカですが、都会のベランダには十分です。

茗荷は... そもそも鉢植むきの植物ではない。
あまり期待せずに、観葉植物のつもりで置いています。
昨年の収穫は、花芽が1つ。

ところが今年は、2つも花芽が出ました。 ひゃ~、ラッキー!

2014茗荷

採れたての茗荷で頂くそうめんは、格別ですよね
2014茗荷2

たった2つくらいでと笑うなかれ。
いいですか、これをデータ化すると、「収穫量は昨年比200%」ということになるんですぞ。
ものごとはポジティブに捉えるべし

そして本日、お世話していたアゲハ蛹が無事羽化しました
ベランダの山椒やミカンについた幼虫。
木につけたままではクモや寄生虫にやられるので、室内で育てていたものです。
羽化が近づくと蛹の色でわかるので、昨晩のうちにベランダに出しておきました。

朝8時。蝶がひとり、羽を乾かしています。
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10時頃のぞくと、蝶が5つ。ほぼ鈴なり状態

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昼間外出していたので、旅立ちを見ることはできませんでした。
今週は台風もなく、平穏なときに羽化したラッキーなひとたちでした ^^
ドイツ、W杯優勝しましたね~!

自分が応援しているチームが優勝するって、まことに気分がよろしい!
個人技もさることながら、チームワーク抜群でしたね。

ドイツの報道も、もちろん歓喜歓喜でタイヘンなことになってます。

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優勝セレモニーのあとで、控え室での一枚。
メルケル首相の横の年配の男性は、ドイツのガウク大統領。気骨のあるお爺ちゃん政治家です。(この人の演説はすばらしい)

私事ですが日記代わりに....
2日前に、女性ボーカルトリオのコンサートで伴奏させて頂いてきました
曲目は、「菩提樹」 「歌の翼に」 「ホフマンの舟歌」 「竹田の子守り歌」 「ずいずいずっころばし」etc.........
友人知人を招いて、ランチタイムのお食事つきコンサートです

グループ3人の合計年齢は… 200歳 (最年長は78歳!)
でもね、年齢なんかものともしないハツラツとした歌声で、34名のお客様を魅了していました。
あんな風に心身闊達に年をとりたいな(^^)

 

2014.07.07 モッテン
雨模様の七夕になりました。
さて、きょうのお題は モッテン

モッテンとは、ドイツ語で蛾(複数形)のことです。 (じつは私は苦手……きゃ~っ!)
「知っていても知らなくても、どっちゃでもよい話」をご紹介している当ブログに、まことにふさわしいテーマであります(笑)

ドイツのツァイト紙に、イギリスで毎年催される「Moth Night」とやらが写真付きで紹介されています。写真の解説文を訳してみました。以下訳文です。

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部屋に飛び込んでくる蛾は、やっかいなしろもの。
しかしイギリスでは Moth Night 称する催しが毎年開催される。
アマチュアの虫好きも、生物学者も、蛾談義に花を咲かせ、自慢の美しい蛾を披露する。


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イギリスには蛾のファンがたくさんいる。
「Moth Night」の夜は、みなで蛾の探索にでかける。今年のテーマは「森の蛾」
専門家が蛾の生態や、何を食べるか、どのように捕獲するかなどを解説する。

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Moth Nightではアマチュアも、蛾の研究に参加する。このような「市民科学」はドイツでも流行になりつつある。
専門家にとってはイギリス国内の蛾について、さまざまなデータを得られる貴重な機会でもある。


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ヨーロッパメンガタスズメ


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めずらしい蛾を捕まえるために、アマチュアの虫好きは毎年、凝った捕獲器を考案する

翻訳おわり
みんな目をらんらんと輝かせて捕獲器をのぞいていますね^^
私は、蛾は苦手です。なぜなんでしょう? 写真で見るだけなら綺麗なんだけどなぁ.....

イギリスでは、蛾が愛されているんですね^^
日本ではどうかな? 蛾のファンってあまり聞かないような...... 私が知らないだけでしょうか?

原文(ドイツ語)は こちら