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2012.04.25
ドイツのオオカミ その後
野生オオカミが姿を消して久しいドイツ中西部。
1世紀以上の空白を経て今年、オオカミが中西部の森(ヴェスターヴァルト)を走る姿が一枚の写真に撮られ、大きく報道されました。

東欧からはるばるやって来たのではないか...ドイツの森にオオカミが復活するかもしれない.....
私も、NABU(ドイツ自然保護協会)ホームページの記事を翻訳して、このブログでご紹介しました。
(ちなみに、その時のブログは こちら )
残念なことにこのオオカミさんは、撃ち殺されてしまいました。先週の土曜日に散歩中の人が死体を発見して、それ以来大騒ぎになっていたようです。地元の狩猟協会も大きな衝撃を受けて、5000ユーロの懸賞金つきで犯人を捜す騒ぎの中、撃った本人が出頭したそうです。
雑誌シュピーゲル・オンライン版の記事を訳してみます。
以下要約文
Montabauer発(フランクフルトとケルンの中程の町)
事件は新たな展開。71歳の男が町の捜査当局に出頭し、ラインラント・プファルツ州でオオカミを撃ったのは、自分であると供述。狩猟協会幹部の語るところによると、この男性は野犬と間違えて狼を殺してしまったと話しているそうである。
殺されたオオカミは、2月末にヴェスターヴァルトの森を走る姿が目撃され、写真に撮られた個体である可能性が高い。ラインラント・プファルツ州で野生オオカミが発見され、証拠写真に納まったのは、123年振りのことだった。
自然保護協会(NABU)はすでに、被疑者不詳の告発状を、コブレンツ検察庁に提出している。NABUの幹部ミラー氏は、「オオカミは現在保護しなければならない種であり、大変残念。今回の件は言い逃れ出来ない行為である」と語っている。
以上翻訳終わり
他の報道にもあたってみたところ、狩猟免許を持っている人が保護動物を殺した場合、罰金や免許取り消し、最高では5年の懲役刑もあり得るらしいです。もちろん今の時点では、どのように収まるのかはわかりませんが....
無作為に撃たない..というのは、猟銃を持つ人間の基本ですよね。
今回ちょっと感心したのは、狩猟協会が犯人をかばう方向ではなく、自ら懸賞金を出して解明に乗り出していたこと。まぁそれだけ123年ぶりの、この1頭にかける期待が高かったという事かも知れません。
もと記事(ドイツ語)は こちら (撃たれたオオカミの写真が載っているので、ご承知ください)。
1世紀以上の空白を経て今年、オオカミが中西部の森(ヴェスターヴァルト)を走る姿が一枚の写真に撮られ、大きく報道されました。

東欧からはるばるやって来たのではないか...ドイツの森にオオカミが復活するかもしれない.....
私も、NABU(ドイツ自然保護協会)ホームページの記事を翻訳して、このブログでご紹介しました。
(ちなみに、その時のブログは こちら )
残念なことにこのオオカミさんは、撃ち殺されてしまいました。先週の土曜日に散歩中の人が死体を発見して、それ以来大騒ぎになっていたようです。地元の狩猟協会も大きな衝撃を受けて、5000ユーロの懸賞金つきで犯人を捜す騒ぎの中、撃った本人が出頭したそうです。
雑誌シュピーゲル・オンライン版の記事を訳してみます。
以下要約文
Montabauer発(フランクフルトとケルンの中程の町)
事件は新たな展開。71歳の男が町の捜査当局に出頭し、ラインラント・プファルツ州でオオカミを撃ったのは、自分であると供述。狩猟協会幹部の語るところによると、この男性は野犬と間違えて狼を殺してしまったと話しているそうである。
殺されたオオカミは、2月末にヴェスターヴァルトの森を走る姿が目撃され、写真に撮られた個体である可能性が高い。ラインラント・プファルツ州で野生オオカミが発見され、証拠写真に納まったのは、123年振りのことだった。
自然保護協会(NABU)はすでに、被疑者不詳の告発状を、コブレンツ検察庁に提出している。NABUの幹部ミラー氏は、「オオカミは現在保護しなければならない種であり、大変残念。今回の件は言い逃れ出来ない行為である」と語っている。
以上翻訳終わり
他の報道にもあたってみたところ、狩猟免許を持っている人が保護動物を殺した場合、罰金や免許取り消し、最高では5年の懲役刑もあり得るらしいです。もちろん今の時点では、どのように収まるのかはわかりませんが....
無作為に撃たない..というのは、猟銃を持つ人間の基本ですよね。
今回ちょっと感心したのは、狩猟協会が犯人をかばう方向ではなく、自ら懸賞金を出して解明に乗り出していたこと。まぁそれだけ123年ぶりの、この1頭にかける期待が高かったという事かも知れません。
もと記事(ドイツ語)は こちら (撃たれたオオカミの写真が載っているので、ご承知ください)。
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そうですか。
何をか言わんやです。
UNEPナイロビ本部に勤務する知人が出す新書を手伝ったので、生物多様性がいかに大切か話合われ、条約もできてはいるけど、自分も含めてニンゲンという生き物は、いったいどこまで、この地球上に生きるほかの生き物に影響を与えているのかと思います。因みにその本は、ソフトバンク新書『日本人が知らない環境問題〜「地球にやさしい」では世界は救えない』です。
でも、一方、トキのひなが3羽誕生した明るいニュースも。イタチなどに襲われないで育ってほしいですね。
何をか言わんやです。
UNEPナイロビ本部に勤務する知人が出す新書を手伝ったので、生物多様性がいかに大切か話合われ、条約もできてはいるけど、自分も含めてニンゲンという生き物は、いったいどこまで、この地球上に生きるほかの生き物に影響を与えているのかと思います。因みにその本は、ソフトバンク新書『日本人が知らない環境問題〜「地球にやさしい」では世界は救えない』です。
でも、一方、トキのひなが3羽誕生した明るいニュースも。イタチなどに襲われないで育ってほしいですね。
2012/04/26 Thu 07:23 URL [ Edit ]
ぴんぷす
このオオカミさん、かっこよく走る姿が報道されて、大歓迎されている様子だったのに....ほんとに可哀そうなことをしました。
こういうニュースを読むのはつらいんですけど、走る写真をブログに載せた手前、その後のこともやっぱり載せるべきかな...と思いましてね。
トキのヒナ、無事に育つといいですね。上のオオカミのような悪いニュースが、新聞に載らないことを祈るばかりです。
ソフトバンク新書、読んでみますね!
こういうニュースを読むのはつらいんですけど、走る写真をブログに載せた手前、その後のこともやっぱり載せるべきかな...と思いましてね。
トキのヒナ、無事に育つといいですね。上のオオカミのような悪いニュースが、新聞に載らないことを祈るばかりです。
ソフトバンク新書、読んでみますね!
2012/04/26 Thu 20:13 URL [ Edit ]
ぴんぷす様
はじめまして。
日本オオカミ協会ookuchi_makamiといいます。
NABUとオオカミ射殺記事を検索していて通りかかりました。
偶然ですが、NABUのウェルカムウルフプロジェクト担当者を先月日本に招聘して西日本各地でシンポジウムを開いていました。(昨年秋にも同じ人を呼んで北海道、長野で開きました)
ザクセン州のラウジッツ地方には、2000年くらいからオオカミが定着して、既に70頭に増えています。その話をしてもらったのです。
その事件のニュースもNABUの方に見せました。
残念だが、ドイツではよくあることだ。その地域はオオカミがいままでいなかった地域なので、大きく報道されたのだろう、という返事でした。
様々な理由から、日本にもオオカミが必要と真剣に考えているのですが、どう思われますか。
はじめまして。
日本オオカミ協会ookuchi_makamiといいます。
NABUとオオカミ射殺記事を検索していて通りかかりました。
偶然ですが、NABUのウェルカムウルフプロジェクト担当者を先月日本に招聘して西日本各地でシンポジウムを開いていました。(昨年秋にも同じ人を呼んで北海道、長野で開きました)
ザクセン州のラウジッツ地方には、2000年くらいからオオカミが定着して、既に70頭に増えています。その話をしてもらったのです。
その事件のニュースもNABUの方に見せました。
残念だが、ドイツではよくあることだ。その地域はオオカミがいままでいなかった地域なので、大きく報道されたのだろう、という返事でした。
様々な理由から、日本にもオオカミが必要と真剣に考えているのですが、どう思われますか。
ぴんぷす
はじめまして!
コメント有難うございます!
オオカミの訳文をブログに載せるために、ネットで関連記事を読みましたが、日本オオカミ協会のことは寡聞にして存じませんでした。シンポジウムを開かれているとのことで、オオカミのことを真剣に考える方たちの集まりなのですね。しかも、nabuの担当官を招へいしてのこととは、驚きました。
ラウジッツでオオカミが70頭にも増えているとは知りませんでした。
ドイツ国内でオオカミについての新聞記事をいくつか眺めてみたのですが、否定的な意見も結構あるようですね。たしかに皆がもろ手を挙げて歓迎しているわけではない....けれど、森からオオカミが消えたことで、今は森の動物たちのバランスがこわれてしまっている....という風に読み取りました。バランスがこわれたことのツケは、結局人間に回ってきていると解釈してよいのでしょうか...
私は目下独和翻訳の勉強をしておりまして、語学の勉強のために、ネットで見かけたニュース文の翻訳をブログに綴っております。根っから動物好きなものですから、nabuの記事を読むのは大好きで、このブログでたびたびご紹介しているような次第です。
今回オオカミの記事を翻訳する過程で、(誤訳を避けるために、なるべく内容の周辺をネットで探る努力をしておりまして)オオカミという動物について、実にさまざまな意見があることを知りました。ドイツ国内でも賛否両論。その中でオオカミの存在を、当然のこととして歓迎するnabuの姿勢には、とても共感を覚えました。「もともと、そこにいた」のですものね、ドイツにも日本にも。
コメント有難うございます!
オオカミの訳文をブログに載せるために、ネットで関連記事を読みましたが、日本オオカミ協会のことは寡聞にして存じませんでした。シンポジウムを開かれているとのことで、オオカミのことを真剣に考える方たちの集まりなのですね。しかも、nabuの担当官を招へいしてのこととは、驚きました。
ラウジッツでオオカミが70頭にも増えているとは知りませんでした。
ドイツ国内でオオカミについての新聞記事をいくつか眺めてみたのですが、否定的な意見も結構あるようですね。たしかに皆がもろ手を挙げて歓迎しているわけではない....けれど、森からオオカミが消えたことで、今は森の動物たちのバランスがこわれてしまっている....という風に読み取りました。バランスがこわれたことのツケは、結局人間に回ってきていると解釈してよいのでしょうか...
私は目下独和翻訳の勉強をしておりまして、語学の勉強のために、ネットで見かけたニュース文の翻訳をブログに綴っております。根っから動物好きなものですから、nabuの記事を読むのは大好きで、このブログでたびたびご紹介しているような次第です。
今回オオカミの記事を翻訳する過程で、(誤訳を避けるために、なるべく内容の周辺をネットで探る努力をしておりまして)オオカミという動物について、実にさまざまな意見があることを知りました。ドイツ国内でも賛否両論。その中でオオカミの存在を、当然のこととして歓迎するnabuの姿勢には、とても共感を覚えました。「もともと、そこにいた」のですものね、ドイツにも日本にも。
2012/05/07 Mon 02:27 URL [ Edit ]
ぴんぷす様
そうですね。日独ともちょうど同じころにオオカミを根絶しています。そのころアメリカでもやはり同じことをやっているんですね。その結果はやはり今になってツケを支払うことになりました。どこでも人間がシカに負けそうな状況です。
ドイツ語を読めるメンバーがいないため、NABUのヴェッセル氏(招聘した方です)の話以上の情報はなかなか手に入れられないのが難です。
これからもNABUのオオカミ情報をご紹介ください。
今回の記事の一部を私のブログで引用させていただきますが、よろしいでしょうか。特に州代表のコメントは、環境省の担当者に聞かせたいものです。
ドイツでも州によって意見の差はあるようです。森の生態系が壊れてしまっていることは、ドイツでも日本と同様です。日本よりももっと動物が少ないようです。ヴェッセル氏は、オオカミと同様熊も戻ってきたと「わくわくしている」と言っていました。
これからも訪問させていただきますので、よろしくお願いいたします。
そうですね。日独ともちょうど同じころにオオカミを根絶しています。そのころアメリカでもやはり同じことをやっているんですね。その結果はやはり今になってツケを支払うことになりました。どこでも人間がシカに負けそうな状況です。
ドイツ語を読めるメンバーがいないため、NABUのヴェッセル氏(招聘した方です)の話以上の情報はなかなか手に入れられないのが難です。
これからもNABUのオオカミ情報をご紹介ください。
今回の記事の一部を私のブログで引用させていただきますが、よろしいでしょうか。特に州代表のコメントは、環境省の担当者に聞かせたいものです。
ドイツでも州によって意見の差はあるようです。森の生態系が壊れてしまっていることは、ドイツでも日本と同様です。日本よりももっと動物が少ないようです。ヴェッセル氏は、オオカミと同様熊も戻ってきたと「わくわくしている」と言っていました。
これからも訪問させていただきますので、よろしくお願いいたします。
ぴんぷす
お返事有難うございます!
そちらのブログに載せる件、了解です。
NABUのホームページを見てみましたら、オオカミに関する活動の記事を複数見つけました。いろいろな動物についてのプロジェクトが同時進行していて、とても活発な団体なのですね。それがこのように、誰でも読める形で公開されているというのも、素晴らしいことだと思います。
オオカミ関連の記事、今度訳してみますね!
そちらのブログに載せる件、了解です。
NABUのホームページを見てみましたら、オオカミに関する活動の記事を複数見つけました。いろいろな動物についてのプロジェクトが同時進行していて、とても活発な団体なのですね。それがこのように、誰でも読める形で公開されているというのも、素晴らしいことだと思います。
オオカミ関連の記事、今度訳してみますね!
2012/05/08 Tue 00:37 URL [ Edit ]
どうもありがとうございます。
さっそくブログに取り上げさせていただきました。
横綱白鵬関と並べてみました。
さっそくブログに取り上げさせていただきました。
横綱白鵬関と並べてみました。
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