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2013.03.11
独検聴き取り
今日は久し振りに、ドイツのオオカミの話題。
日本と同じ100年前頃、ドイツでも野生オオカミは絶滅しました。
しかし東端のラウジッツ地方には、最近となりのポーランドから入ってきた群れが定着しつつある。オオカミといえば、家畜の被害が心配されて....
今日の翻訳はドイツ自然保護協会の報道文。じつは2012年度ドイツ語検定1級、聴き取り試験で読み上げられた内容なんです。
まったく同じ文ではありません。でも確かにこの話でしたね。みんな耳ダンボで聴きましたっけ。
以下訳文
ドイツのオオカミは、おもにノロジカを狩る

2012年3月12日
長い間絶滅していたオオカミがドイツに戻ってきた。
しかしその帰還を、誰もが喜んでいるわけではない。とくに恐れられているのは、その食行動。童話に出てくるオオカミのように、羊や家畜を襲い、そればかりか人間にも襲い掛かるのではないか、過去のものだった「不安」がよみがえるのではないか....住民、狩人、農場主らの論争が始まっている。
「ドイツのオオカミ復活の件で、最大の争点は彼らの食生活です。それで実際にかれらが何を食べているのか、ラウジッツ地方のオオカミの食事内容を、10年近く追跡調査したのです」と語るのは、ゼンケンベルク研究所の動物学部門主任ヘルマン・アンゾルゲ氏。
研究者らは、オオカミの糞を3000個以上採集し、未消化で残された毛、骨、ひづめ、歯、さらに食べられた動物の残骸を手掛かりに、オオカミの食事内容を調べ上げた。

それによると、獲物の96%が有蹄類で、ノロジカ55%、アカシカ20%、イノシシ17%、野ウサギはわずか3%未満だった。
アンゾルゲ氏は語る。「羊などの家畜は1%以下であることがわかりました。野生の獲物が豊富ならば、オオカミが電気柵を越え、牧羊犬と対峙してまで家畜を襲うことはないでしょう」。

単に獲物の種類ばかりでなく、それがどのように変化したかも調査で明らかになった。オオカミは適応力に優れており、生息地によって食行動が変化する。
たとえばカナダのオオカミは、秋になるとサケを食べる。
ドイツのオオカミは多くがポーランド生まれで、アカシカを食べて育った。それで初めはアカシカを捕らえていたが、次第にドイツに多いノロジカを多く食べるようになった。
(ノロジカ)
アカシカの好む広大な森林に比べると、ラウジッツの森は道路や畑で区切られて、ノロジカやイノシシに適した環境なのだ。オオカミが東ドイツの環境に適応すべく、ターゲットをアカシカからノロジカへ替えるのに、2世代かかっていないことがわかった。
上の原文は こちら (nabuドイツ自然保護協会の報道文から)
3000個もの糞の分析はなかなかタイヘンな作業でしょうね。
私は以前この文を見かけて、チラッとななめ読みしたことがあったので、検定で読み上げられた時に「あっ、知ってるハナシ!」と思っちゃいました(^^)
日本と同じ100年前頃、ドイツでも野生オオカミは絶滅しました。
しかし東端のラウジッツ地方には、最近となりのポーランドから入ってきた群れが定着しつつある。オオカミといえば、家畜の被害が心配されて....
今日の翻訳はドイツ自然保護協会の報道文。じつは2012年度ドイツ語検定1級、聴き取り試験で読み上げられた内容なんです。
まったく同じ文ではありません。でも確かにこの話でしたね。みんな耳ダンボで聴きましたっけ。
以下訳文
ドイツのオオカミは、おもにノロジカを狩る

2012年3月12日
長い間絶滅していたオオカミがドイツに戻ってきた。
しかしその帰還を、誰もが喜んでいるわけではない。とくに恐れられているのは、その食行動。童話に出てくるオオカミのように、羊や家畜を襲い、そればかりか人間にも襲い掛かるのではないか、過去のものだった「不安」がよみがえるのではないか....住民、狩人、農場主らの論争が始まっている。
「ドイツのオオカミ復活の件で、最大の争点は彼らの食生活です。それで実際にかれらが何を食べているのか、ラウジッツ地方のオオカミの食事内容を、10年近く追跡調査したのです」と語るのは、ゼンケンベルク研究所の動物学部門主任ヘルマン・アンゾルゲ氏。
研究者らは、オオカミの糞を3000個以上採集し、未消化で残された毛、骨、ひづめ、歯、さらに食べられた動物の残骸を手掛かりに、オオカミの食事内容を調べ上げた。

それによると、獲物の96%が有蹄類で、ノロジカ55%、アカシカ20%、イノシシ17%、野ウサギはわずか3%未満だった。
アンゾルゲ氏は語る。「羊などの家畜は1%以下であることがわかりました。野生の獲物が豊富ならば、オオカミが電気柵を越え、牧羊犬と対峙してまで家畜を襲うことはないでしょう」。

単に獲物の種類ばかりでなく、それがどのように変化したかも調査で明らかになった。オオカミは適応力に優れており、生息地によって食行動が変化する。
たとえばカナダのオオカミは、秋になるとサケを食べる。
ドイツのオオカミは多くがポーランド生まれで、アカシカを食べて育った。それで初めはアカシカを捕らえていたが、次第にドイツに多いノロジカを多く食べるようになった。

(ノロジカ)
アカシカの好む広大な森林に比べると、ラウジッツの森は道路や畑で区切られて、ノロジカやイノシシに適した環境なのだ。オオカミが東ドイツの環境に適応すべく、ターゲットをアカシカからノロジカへ替えるのに、2世代かかっていないことがわかった。
上の原文は こちら (nabuドイツ自然保護協会の報道文から)
3000個もの糞の分析はなかなかタイヘンな作業でしょうね。
私は以前この文を見かけて、チラッとななめ読みしたことがあったので、検定で読み上げられた時に「あっ、知ってるハナシ!」と思っちゃいました(^^)
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ピンプスさんの愛するウサギさん、写真の野うさぎの長い見事な耳は、怪しい足音をしっかり聞き取れそうですね。環境に適応して獲物を変えていくオオカミは、恰好いいですね。
秋にはサケを食べるカナダのオオカミも、そうして、たくましく生きいるのですね。
秋にはサケを食べるカナダのオオカミも、そうして、たくましく生きいるのですね。
2013/03/11 Mon 06:49 URL [ Edit ]
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