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2011.08.23
ドイツのベストセラー小説
今読んでいる本「世界の測量」、ドイツの作家ダニエル・ケールマンの世界的ベストセラー。2005年に発表された作品です。
ネットで絶賛されていたのを見て、アマゾンで原書を取り寄せてみました… と書くといかにもスラスラ読んでいるようですね(笑) 悲しいかな、いやもう苦戦しております^^
邦訳は「世界の測量」~ガウスとフンボルトの物語~ 三修社 瀬川祐司訳

これは、アレクサンダー・フォン・フンボルト(1769-1859)と、カール・フリードリヒ・ガウス(1777-1855)を主人公にした小説。フンボルトは博物学者・探検家・地理学者として世界に名をとどろかせたし、ガウスは数学者・天文学者・物理学者として大変な業績を残して、近代数学の創始者とも言われる人。二人の人生を交互に描いて、「測量」に対する考え方の違いを、ある意味ユーモラスに浮き彫りにしています。
やっと3分の1ほど読んで、まだまだ先は長い~... ちょっと果てしない気がしていますが、面白い本なので投げ出さずに終わりまで読みたいです。
ちょうどベートーヴェン(1770-1827)と同じ時代ですね。人々は馬車で移動し、書類を書く時は羽根ペンにインクをつける。電話も写真もない時代。フンボルトが南米のジャングルを、六分儀片手に突き進む様子は、痛快…というか、読んでいて気分が悪くなりそうなほど(笑)。ガウスは反対に一つ所に留まって、数学で物事を測量する。ガウス8歳の時の有名な実話も語られています(…算数の時間に1から100までの数を全部足してみろと言われて、即座に5050と答えた。1+100=101、 2+99=101、 3+98=101...つまり 101×50=5050 )
フンボルトは貴族の家に生まれて、子供の時から特別な教育を受けて育っているけれど、ガウスの父は庭師(ウィキによればレンガ職人)で、母親も普通の人。ガウスの場合は本当に「天から降ってきたような」天才だったのですね。なぜこれ程の天才がこの一家に生まれたのか不思議な感じがします。モーツァルトだって父親が音楽家で、環境は整っていたわけだし、ベートーヴェンだって教育パパがいたしね。
この本の特徴はもうひとつ、会話がすべて接続法一式で書かれていること。例えば、ガウスがカントを訪ねる場面。
Er könne sich gut vorstellen, daß viele Besucher kämen und daß man sich zu schützen habe. Aber, und das müsse er in aller Klarheit sagen, er sei nicht irgendwer.
あなたがたが身を守る必要があることも理解しております。しかし、ここで明確に申し上げねばならないのは、私がそこらへんにいる馬の骨などではないということです。(瀬川祐司訳、三修社)
原文はこういう接続法一式に満ちているので(涙)、ちょっと手に余っています。それにしても上の訳文は素晴らしい! ドイツ語を勉強していて、接続法一式の間接話法を勉強するには最適の一冊です(笑)。
ネットで絶賛されていたのを見て、アマゾンで原書を取り寄せてみました… と書くといかにもスラスラ読んでいるようですね(笑) 悲しいかな、いやもう苦戦しております^^
邦訳は「世界の測量」~ガウスとフンボルトの物語~ 三修社 瀬川祐司訳

これは、アレクサンダー・フォン・フンボルト(1769-1859)と、カール・フリードリヒ・ガウス(1777-1855)を主人公にした小説。フンボルトは博物学者・探検家・地理学者として世界に名をとどろかせたし、ガウスは数学者・天文学者・物理学者として大変な業績を残して、近代数学の創始者とも言われる人。二人の人生を交互に描いて、「測量」に対する考え方の違いを、ある意味ユーモラスに浮き彫りにしています。
やっと3分の1ほど読んで、まだまだ先は長い~... ちょっと果てしない気がしていますが、面白い本なので投げ出さずに終わりまで読みたいです。
ちょうどベートーヴェン(1770-1827)と同じ時代ですね。人々は馬車で移動し、書類を書く時は羽根ペンにインクをつける。電話も写真もない時代。フンボルトが南米のジャングルを、六分儀片手に突き進む様子は、痛快…というか、読んでいて気分が悪くなりそうなほど(笑)。ガウスは反対に一つ所に留まって、数学で物事を測量する。ガウス8歳の時の有名な実話も語られています(…算数の時間に1から100までの数を全部足してみろと言われて、即座に5050と答えた。1+100=101、 2+99=101、 3+98=101...つまり 101×50=5050 )
フンボルトは貴族の家に生まれて、子供の時から特別な教育を受けて育っているけれど、ガウスの父は庭師(ウィキによればレンガ職人)で、母親も普通の人。ガウスの場合は本当に「天から降ってきたような」天才だったのですね。なぜこれ程の天才がこの一家に生まれたのか不思議な感じがします。モーツァルトだって父親が音楽家で、環境は整っていたわけだし、ベートーヴェンだって教育パパがいたしね。
この本の特徴はもうひとつ、会話がすべて接続法一式で書かれていること。例えば、ガウスがカントを訪ねる場面。
Er könne sich gut vorstellen, daß viele Besucher kämen und daß man sich zu schützen habe. Aber, und das müsse er in aller Klarheit sagen, er sei nicht irgendwer.
あなたがたが身を守る必要があることも理解しております。しかし、ここで明確に申し上げねばならないのは、私がそこらへんにいる馬の骨などではないということです。(瀬川祐司訳、三修社)
原文はこういう接続法一式に満ちているので(涙)、ちょっと手に余っています。それにしても上の訳文は素晴らしい! ドイツ語を勉強していて、接続法一式の間接話法を勉強するには最適の一冊です(笑)。
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