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ウィーンの楽友協会ホールをご存じでしょうか? 
お正月にニューイヤーコンサートをやってるあれです。上から下まで花であふれた舞台に、ウィーンフィルの楽員がぎっしり座って…  優美な黄金のホールです。私はまだ行ったことないのですが、素敵な空間です。
そして世界一美しく響くホールといわれる場所です。

あのような直方体のホールを、シューボックス型 といいます。
今日は音楽ホールの響きについての記事を訳してみました。
2014年3月4日のヴェルト紙から。

シューボックス型ホール、素晴らしい響きのわけは…?

クラシックファンがシューボックス型ホールを好むのはなぜか…その理由がデータによって裏付けられた。
この研究は、アールト大学(フィンランド)のユッカ・ペティネン氏(博士研究員)らによるもので、学術誌『米国科学アカデミー紀要』に発表された。
シューボックス型では高音と倍音が、側壁に反射することで強調され、音楽がよりダイナミックに響くことがわかった。

コンセルトヘボウ
(コンセルトヘボウ)

「弱音から最強音へとふくらむオーケストラの演奏を聴くことは、大きな文化的体験である。その際に演奏からどれほど感銘を受けるかは、奏者の腕前ばかりではなく、ホールの音響も関係している」と、研究者は書いている。

調査対象となったのはヨーロッパのコンサートホール10棟(うち7つがドイツのホール)。ホールの形状は、シューボックス型が5、その他の形のものが5だった。

音響データの測定には、聴衆のかわりに人間の頭の模型5つを使用。左右の耳の位置にはマイクロフォンを仕込み、一本のライン上に、それぞれステージから異なる距離に配置した。

ステージにはオーケストラを模して、ラウドスピーカーを配置する。スピーカーはどのホールでも同じバランスと音量を再現できるよう調整した。使用する音楽は、ブルックナーの交響曲第9番から20小節ほど。

その結果、とくに高音域における振幅(音量)がホールの形によって異なることがわかった。ホールの違いによる差異は、最大5デシベルだった。
musikvverein450.jpg
(楽友協会ホール)

またステージから遠く離れるほど、高音が強調される効果は大きくなり、これを最も実現しているのがシューボックス型であった。ステージから来る音は側壁に当たり、10分の1秒以内に反射音となって響きを補完するのである。

楽友協会ホール(ウィーン)、コンツェルトハウス(ベルリン)、コンセルトへボウ(アムステルダム)などの由緒ある音楽ホールが聴衆に愛され、大きな成功を収めている理由は、シューボックスの形状によって音楽がよりダイナミックに響いているからであると、研究者らは結論している。

以上翻訳文。
もと記事(ドイツ語)は こちら
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