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8月19日の日記に、コーヒーが血管をやわらかくする働きがあるらしい…という記事の訳を載せました。
もっといい話はないかなぁ...と、コーヒーの効能について検索してみたら、皮膚癌にかかりにくくなるという話が! ドイツの医学情報誌に8月16日に掲載された記事。 と~っても嬉しい話なので、頑張って翻訳してみました。
題は『カフェインが皮膚癌を防ぐ可能性』です。

出典は こちら
下は翻訳文です。

(Piscataway発) 海辺のコーヒースタンドで飲む一杯のカプチーノが、すぐに日焼け止めクリームに取って代わるわけではないけれど、これまでに数々の疫学研究によって、コーヒー愛飲者はめったに皮膚癌にならないことがわかっている。学会誌ナショナル アカデミー オブ サイエンスに、その理由についての研究報告が発表された。

9万人以上の女性を対象にした調査で、一日に一杯のコーヒーを飲むことが、非メラノーマ性皮膚癌にかかるリスクを5%下げることがわかった。これは、ウーマンズヘルス イニシアチブ(WHI)の観察結果をもとにしている。

一日に6杯以上飲む女性の場合、基底細胞癌や扁平上皮癌のリスクは31%も低かった。この保護効果は紅茶では少なく、カフェインフリーコーヒーでは全くない。なぜなら、予防効果はカフェインによってもたらされるからである。実際にカフェイン含有の保護剤を塗ったハイリスクマウス(*1)の実験で、扁平上皮癌は72%まで防ぐことが出来た。

カフェインが皮膚癌発生をどのように防いでいるのか、メカニズムはわかっていない。アメリカのアラン・コニー教授(*2)を含む複数の癌研究者たちは、たんぱく質キナーゼATRが活性化するのを抑制する働きがあるからではないかと、推測している。

細胞周期の過程において、このATRキナーゼが細胞の損傷箇所を特定し、別の修復キナーゼによってそれが修復される。この働きによって、細胞がアポトーゼ(細胞自死)から護られるわけだが、逆に癌細胞をも死滅から護る結果をもたらしているのだ。


ATRキナーゼの抑制効果を持つ多くの物質について、遺伝子レベルでの癌治療効果を高めるべく、臨床研究が続けられている。

癌の発生増殖にATRがどのように関わっているかを知るために、コニー教授を中心にする研究者グループは、遺伝子操作マウスを使って、実験を行っている。皮膚に塗ったカフェインの効果についてシミュレーションされた結果、実験室のマウスは明らかに、皮膚癌にかかりにくい事がわかった。紫外線を浴びたことによる皮膚腫瘍は69%減少し、侵潤性腫瘍はほとんど発生しなかった。

予防効果が現れるのは実験の初期だけで、紫外線を長く浴び続ければ、すべての実験動物に扁平上皮癌が発生した。コニー教授の推測によれば、カフェインには予防効果があるものの、すでに発生した腫瘍の進行を食い止めるまでには至らない。

コニー教授はこの研究結果を受けて、将来は日焼け止めクリームの成分に、カフェインが含まれることになるだろうと推測している。今後は実験室での研究を臨床に移して、結果が示されるのを待つばかりである。


(*1) 遺伝子組み換えによって、紫外線感受性を高めたマウス
(*2)アラン・コニー教授…アメリカ ニュージャージー州のスーザン リーマン カルマン癌研究所の研究者

この記事の研究対象は女性にしぼられているようなので、男性はどうなのでしょうか....男女のちがいについては気になる所です。でも、コーヒーにこんな効果があるなんて、嬉しいですね!
医学の知識がないので、苦しい翻訳作業で..(汗)。
医学用語は下のように訳しましたが、もし間違いがありましたら、どうぞご指摘ください。

nicht-melanotischer Hautkrebs 非メラノーマ性皮膚癌
Basaliome  基底細胞癌
Spinaliome  扁平上皮癌
Enzym ATR  たんぱく質キナーゼATR
invasiver Tumor  浸潤性皮膚腫瘍
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