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大きな貝ですね~! これは5千万年前の貝の化石で、なんと100歳くらいにもなるものだそうです。 シュピーゲル紙に、この貝の年輪と異常気象についての記事が載っていました。
題は『古代の気象現象を貝が教えてくれる』です。主要な部分を訳してみました。

muschel klein

ハンブルク発
ペルーの大雨と洪水、オーストラリアの干ばつ …太平洋一帯では 3~6年毎にエルニーニョ現象が起こり、海流や風が通常と違う動きをする気候変動が起こる。太平洋赤道域からペルー沖にかけて海面水温が上昇すると、海は栄養不足の状態になり、魚がもっと南方や深海へと移動してしまう。すると、多くの海鳥やアシカ、トドなどの海獣が食糧不足で死んだり、猟師が仕事を失う結果をもたらす。

エルニーニョ現象とは反対に、海面水温が低くなるラ・ニーニャ現象も交替に現れて、ペルーには乾燥、オーストラリアには多雨をもたらす。気候学者達は、別名「エンソ(*1)」と呼ばれるこうした気候変動が将来どのようになっていくのか、大きな問題と考えている。地球規模の温暖化によって、エル・ニーニョが何年も続くのではないかと心配する学者もいる。

しかし、極地方と海洋を研究しているトーマス・ブレイ氏(*2)らの国際科学者チームは、エンソによく似た気候変動がすでに古代に起こっていたこと、また気候変動はエル・ニーニョを加速させないであろうという見解に達した。

ブレイ氏らがジオフィジカルリサーチレターズ誌に発表したところによると、研究チームは南極地方の貝の成長年輪を調査した。この貝は5千万年前のセイモア島のもので、約100年間も成長し続け、石灰質の殻には樹木のように、毎年リングが形成される。

「このような貝殻は、まさに気候のアーカイブなのです。」とブレイ氏は語る。貝の年輪には、エルニーニョによる3~6年周期の成長リズムパターンが存在していたのだ。

「これは、5千万年前に温暖から寒冷へ、そしてまた温暖へと、行ったり来たりの変動を繰り返していたことの証拠です。」とブレイ博士は語る。この時代は、これまでの地球の歴史で最後の温暖期で、始新世と呼ばれている。南極には樹木が茂り、海水温は10度~16度あった。海面水温が異常に高い年には、貝はわずかしか成長しないので、貝殻から得られる情報が、研究者たちの道しるべとなった。
現代の気候データと、始新世時代に起こっていたであろう気象変動データを比較したところ、両者は一致していたのだ。

今回の発見には、多くの気候学者が興味を寄せている。もしブレイ氏らの主張が正しいならば、南太平洋の気候をより正確に予測出来るようになる。

(*1)エンソ El Nino-Southern Oscillationの頭文字をとったもの。 大気と海洋の大規模な気候変動を指す言葉
(*2)トーマス・ブレイ氏  ブレーメン大学教授、Alfred-Wegener-Institut fuer Polar- und Meeresforschung(アルフレッド-ヴェーゲナー極地方・海洋研究所)の研究者


…古代のロマン!...と思って読んでみましたが、科学用語に不慣れで...けっこう大変でした! ふーっ!
なお、出典は こちら










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